歯科コラム

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東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

インプラントは虫歯になる?虫歯以外のよくあるトラブルや予防法を解説します

インプラント 虫歯

 

インプラントをこれから埋め込む人・埋め込んだ人のなかには「インプラントも虫歯になるのか」と疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。

 

当記事では、インプラントは虫歯になるのか否かについて解説します。加えて、インプラントの寿命、インプラントに起こる可能性のあるトラブル、トラブルの予防法などについても解説します。

 

インプラントの虫歯が不安な方、インプラントに起こりうるトラブルを回避したい方はぜひお読みください。

 

インプラントは虫歯になる?

インプラントは虫歯になる?

 

結論からいうと、インプラントが虫歯になることはありません。インプラントはもともと体の一部だったものではなく、人工的に作られた素材であるためです。

 

そもそも虫歯とは?

 

そもそも虫歯とは、口のなかでできた酸が歯のエナメル質を溶かす病気のことです。人工物であるインプラントにエナメル質はないので、虫歯菌が生み出した酸で溶けることはありません。よって、虫歯になることはないといえます。

 

虫歯以外のインプラントのトラブル

インプラントのトラブル

 

虫歯になることはないインプラントですが、絶対に安全というわけではありません。メンテナンスを怠ることで、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。

 

  1. ①インプラント周囲炎
  2. ②インプラントの脱落
  3. ③周囲の歯の虫歯
  4. ④術後の腫れ・出血

 

 

①インプラント周囲炎

 

1つ目に考えられるトラブルは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラント自体や付近が歯周病になることで発症する病気のことを指します。インプラントの歯は人工的に作られたものですが、周りの歯茎は人工物ではなく自分の体の一部です。したがって歯茎に細菌が入り込むと、天然の歯を持つ人と同様に炎症が発生する可能性があります。

 

インプラント周囲炎の主な原因は、喫煙と口内の不衛生さです。できる限りタバコを控えつつ、治療後の口内のケアをしっかりと行うことで、インプラント周囲炎を予防できる可能性があります。

 

②インプラントの脱落

 

続いて起こりうるトラブルは、インプラントの脱落です。人工歯根と人工歯がきちんと連結されていなかったり、人工歯根が骨と完全に結合していない状態で人工歯を装着したりすると、治療後にインプラントが落ちることがあります。また、インプラント周囲炎になったことで脱落するケースもあります。

 

不適切な治療によってインプラントが脱落するのを防ぐためには、信頼できる医院を選ぶことが重要です。口コミや公式サイトの情報を確認しつつ、治療を行う医院は慎重に検討しましょう。

 

③周囲の歯の虫歯

 

続いて起こりうるトラブルは、周囲の歯の虫歯です。インプラントは虫歯になりませんが、インプラントの近くにある自然歯は、通常の歯と同様に虫歯になるため注意が必要です。「インプラントは虫歯にならないから」と油断せず、しっかりとケアを行うようにしましょう。

 

なお当トラブルが起こりうるのは、抜け落ちた一部の歯のみをインプラントにした患者さんです。歯すべてをインプラントにした患者さんは、前述のとおり虫歯になることはありません。

 

④術後の腫れ・出血

 

続いて起こりうるトラブルは、術後の腫れ・出血です。インプラントの埋め込み手術では、歯茎の切開を行います。したがって、切開を行ったことによる腫れ・出血が生じるケースもあるでしょう。

 

問題がなければ、手術から日が経つにつれて少しずつ腫れや出血はおさまっていきます。もしも腫れや出血が長く続いていたり、ますます悪化していったりするという場合には、歯周病になっているケースも考えられます。様子がおかしいと感じた場合は注意するようにしましょう。

 

インプラントの寿命は?

インプラントの寿命

 

インプラントの寿命は、平均で10年以上だといわれています。なお、具体的な寿命については個人差があります。10年が経たないうちに寿命が来てしまうケースもあれば、20年を超える長い間同じインプラントを使い続けられるケースもあるでしょう。

 

治療に問題があった場合は別ですが、基本的にはメンテナンスの徹底度によってインプラントの寿命が決まるといっても過言ではありません。インプラントの寿命を延ばしたい方は、日々のメンテナンスをしっかりと行いましょう。

 

インプラントのトラブルに
合わないための予防法

 

インプラントの周辺に起こるトラブルを防ぎ、いつまでも健康な口内をキープするためには、日ごろからしっかりと予防をしておく必要があります。トラブルを避けるために有効な予防法は、主に以下の3つです。

 

  1. ①日々のメンテナンスを徹底する
  2. ②手術前の歯の状態を確認する
  3. ③歯科医院で定期的なメンテナンスを行う

 

 

①日々のメンテナンスを徹底する

 

1つ目の予防法は、日々のメンテナンスの徹底です。インプラントのメンテナンスといっても、難しいものではありません。天然の歯と同様に「毎日丁寧にブラッシングを行う」といった基本的なことをしっかりと行うようにしましょう。

 

歯の清掃を行う際は、歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのもおすすめです。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシでは届きにくい部分までしっかりとアプローチできるため、隠れたプラークをかき出しやすくなるでしょう。

 

事実、歯ブラシだけでは口内のプラークのおよそ6割しか落とせないとされています。対して歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、およそ8割のプラークを落とせるといわれています。

 

口内のプラークをできる限り除去することで、さまざまなお口の病気やトラブルを防ぎやすくなるでしょう。基本的なメンテナンスを、徹底して行うように意識してください。

 

②手術前の歯の状態を確認する

 

続いての予防法は、手術前の歯の状態の確認です。虫歯や歯周病を残したままインプラントを埋入すると、手術後に病気が進行したり、インプラントが抜けたりするケースがあります。よってもし手術前に虫歯などがあった場合は、完治させてから手術を行う必要があります。

 

③歯科医院で定期的なメンテナンスを行う

 

続いての予防法は、歯科医院で定期的なメンテナンスを行うことです。自分自身で行える基本的なメンテナンスに加えて、歯科医院でも定期的なメンテナンスを受けましょう。

 

歯科医院のメンテナンスでは、歯科医師が目で見て検診を行ったり、クリーニングを行ったりします。加えて、目で見てチェックできない顎の骨などの様子を確認する場合には、レントゲンを撮るケースもあるでしょう。

 

取り外しが可能なインプラントを装着している場合は、数ヶ月〜1年に1度のペースで、ボルトに蓄積したプラークを除去します。

 

患者さん自身では行うのは難しい複雑なメンテナンスも、歯科医院であれば行うことが可能です。歯科医院の本格的なメンテナンスを受けることで、隠れたトラブルや病気を見つけ出しやすくなります。

 

「とくに問題は起きていなさそうだから大丈夫」「家でしっかり歯を磨いているから大丈夫」と過信せず、必ず歯科医院で定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。

 

まとめ

 

インプラント自体は虫歯になりませんが、だからといって何もしなくてもよいわけではありません。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎やインプラントの脱落など、さまざまなトラブルに見舞われる可能性が高まります。

 

トラブルを防ぐためにも、自宅や歯科医院でのメンテナンスを徹底しましょう。

 

山手歯科クリニックは、「患者さんへの説明と同意」を意味する「インフォームド・コンセント」を大切にしている総合歯科医院です。数ある治療それぞれのメリットやデメリットを丁寧にご説明し、同意を頂いてから治療をスタートしています。安心して治療を受けたい方は、ぜひ当院へお越しください。

 

監修:理事長/齋藤和重

インプラントも歯周病になる?治療前から歯周病がある場合のリスクについて解説

歯周病 インプラント

 

インプラント治療は人工歯のため「虫歯にならない」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。インプラントが虫歯にならないのなら「歯周病の場合でも同じことがいえるのでは?」と考えている方も少なくないでしょう。

 

虫歯や歯周病にならないのであれば、口内のケアが簡単になるように見え、メリットが多いように感じられます。しかし、実際のところは、適切なケアを怠っているとインプラントも歯周病になります。

 

そこで今回は、インプラントと歯周病の関係について解説します。治療前から歯周病がある場合のリスクについても解説するので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

インプラント自体は歯周病にならない

インプラント自体は歯周病にならない

 

インプラント自体は人工物であるため、天然歯のように虫歯や歯周病にはなりません。ただし、人工物であるからといって、歯磨きをしなかったりメンテナンスを怠ったりしてもよいわけではありません。インプラントを支えている顎の骨や周辺組織は歯周病にかかってしまうため、天然歯と同じように丁寧なブラッシングと歯科医院での定期健診を受けるようにしましょう。

 

インプラント歯周炎とは?

 

インプラント歯周炎とは、天然歯でいう「歯周病」と同じ症状です。インプラントの周りに汚れがたまることで、インプラントを支えている周辺組織が細菌感染を起こしてしまいます。そのまま過ごしてしまうと、顎の骨が溶けたり歯茎に炎症を起こしたりし、やがてインプラントが脱落してしまう病気です。インプラントは人工物のため細菌に対する抵抗力が低く、細菌感染してしまうと天然歯よりも早いスピードで進行してしまいます。

 

インプラント歯周炎の症状・リスク

 

インプラント歯周炎にかかると、歯茎から血や膿がでるようになるほか、最悪の場合はインプラントが脱落することがあります。インプラント歯周炎は、天然歯の歯周病と症状がよく似ていますが、痛みが生じにくかったり骨が溶けるスピードが早かったりと、やっかいな要素が多々見受けられます。

 

そのまま放置してしまうと、インプラントが自然脱落する可能性があり、再手術が受けられないケースもあります。骨の状態は自分で確認できないため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け確認してもらうことがとても大切です。

 

インプラント歯周炎に
なりやすい人の特徴

 

インプラント歯周炎は、単に口内を清潔な状態に保ち、定期的なメンテナンスを受けていれば問題ないというわけではありません。全身疾患などが関係する場合もあり、インプラント歯周炎になりやすい方の特徴は次のとおりです。

 

  • 喫煙者
  • 糖尿病を患っている
  • 服用している薬がある
  • 口内が不衛生な状態が続いている

 

口内の状態だけでなく全身の健康状態によっても、感染しやすさや進行スピードが異なります。治療を受ける前からインプラント歯周炎にかかりやすいことが予想される場合は、医師とよく相談してから決定する必要があるでしょう。

 

インプラント歯周炎の予防法

インプラント歯周炎の予防法

 

インプラント歯周炎は、進行してしまうと最終的に脱落してしまう怖い病気です。しかし、適切なケアと対処をしていれば、インプラント歯周炎の予防が可能です。治療を受ける前からしっかりと予防策を把握し、正しいケアを行うようにしましょう。

 

インプラント歯周炎の予防方法は、以下のとおりです。

 

    • インプラント装着前に口内環境を治療する
    • セルフケアで口内を清潔に保つ
    • 歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける
    • 喫煙を減らす

 

では、それぞれの項目をくわしく解説します。

 

①インプラント装着前に口内環境を治療する

 

インプラント治療を受ける前に、歯周病の疑いがある方は歯周病治療を完了させるようにしましょう。口内の環境が悪く不衛生な状態でインプラント手術を受けてしまうと、術後に感染症を引き起こす可能性があります。歯周病治療を受け、清潔な状態で治療を受けられるように準備しましょう。また、歯周病だけでなく虫歯がある場合も同様です。大きな虫歯治療は先に済ませるようにしましょう。

 

②セルフケアで口内を清潔に保つ

 

インプラント歯周炎の予防にもっとも有効的なのは、自宅でのブラッシングなどによる丁寧なケアです。インプラント周辺だけでなく口内全体を清潔な状態に保てるよう、日ごろからの意識が大切です。また、ブラッシングで汚れを落とすだけでなく、歯と歯の間の汚れにはデンタルフロスを使用するなど、他の清掃器具も活用するとよいでしょう。使い方がわからない方は、正しい使用方法の指導を受けておくと安心です。

 

③歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

 

インプラント治療は、人工物のため定期的なメンテナンスをしっかりと行うことで、長期間良好な状態を保てるようになります。セルフケアだけでは落としきれない汚れは、歯科医院で専用の器具を使って除去してもらうようにしましょう。また、定期的なメンテナンスでは、クリーニングだけでなくインプラントの状態も確認します。不具合が生じていないか歯科医師に確認してもらうことが、インプラントを長持ちさせるために重要なプロセスです。

 

④喫煙を減らす

 

インプラント治療を受ける前に歯科医院から指導を受けることが多いですが、喫煙はインプラント歯周炎の発見を遅らせてしまいます。たばこに含まれる成分が歯茎の血流を悪くするため、炎症が起きていることがわかりにくいからです。しかし、骨のなかではインプラント歯周炎が進行しているケースが多く、気付いた頃には手遅れのケースも少なくありません。できれば治療を開始する前に禁煙するか、本数を減らす努力が必要不可欠です。

 

治療前から歯周病がある場合は
どうする?

治療前から歯周病がある場合

 

治療前から歯周病であることがわかっている場合は、必ず歯周病治療を完了させてからインプラント治療を受けるようにしましょう。ただし、重度歯周病で骨の状態がよくなかったり、口内環境がよくならなかったりした場合などは、インプラント治療が受けられない可能性があります。

 

歯周病菌が口内で増殖している状態で歯茎を切開してしまうと、手術中に細菌感染を起こしてインプラント体と骨がうまく結合しない可能性が考えられるためです。また、歯周病が進行している場合は、骨が溶けてしまっているケースがあります。インプラント治療に必要な骨の量が不足していると、治療が難しくなることもあるでしょう。

 

まとめ

 

インプラントと歯周炎について解説しました。インプラント自体は虫歯や歯周病にならないとケアをおろそかにしていると、いつかインプラントが脱落してしまうかもしれません。そうなってしまうと、わざわざ高額な治療費を支払って受けたのに台無しとなってしまいます。インプラント歯周炎を予防するには、医師の指示を守りながら適切なケアと全身の健康に気を使うことが大切です。

 

山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:理事長/齋藤和重

インプラントと差し歯の違いは?できる人の特徴や費用・期間を解説します

差し歯 インプラント 違い

 

虫歯や歯周病などで歯を失ってしまい、受ける治療方法を迷っている方もいるのではないでしょうか。なかでも、インプラント治療と差し歯の違いがわからず、どちらを受けるべきなのか決めきれずにいる方もいるでしょう。

 

しかし、インプラント治療と差し歯は大きく異なる歯科治療のため、口内の状態によっては自分で選択できないこともあります。

 

そこで今回は、インプラントと差し歯の違いについて解説します。インプラントや差し歯の治療を受けられる方の特徴や、それぞれの費用・期間についてもあわせて解説するので、歯を失ってしまい治療に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

インプラントと差し歯の違いは?

インプラントと差し歯の違い

 

インプラントと差し歯は、どちらも失った歯を補う歯科治療ですが、両者には大きな違いがあります。治療方法や費用・期間のすべてが異なるため、治療を受ける際は医師とよく相談して決定するようにしましょう。

 

ここでは、インプラントと差し歯の違いについて解説します。

 

インプラントとは

 

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨のなかにインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上にセラミックなどで作成した人工歯を装着して失った歯を補う歯科治療です。インプラント体の埋入には外科手術がともなうため、治療を受けられる方とそうでない方が存在します。

 

差し歯とは

 

差し歯とは、骨のなかに残った自分の歯根を利用して、人工歯を装着する歯科治療です。骨のなかに自分の歯根が残っていない場合は、差し歯での治療はできません。その場合は、インプラント治療など他の治療方法を選択する必要があります。

 

インプラント・差し歯の
治療ができる人の特徴

インプラント・差し歯の治療ができる人の特徴

 

インプラント・差し歯の治療には、治療を受けられる方とそうでない方がいます。どちらの治療方法か自分の好みでの選択は難しく、口内の状態によって治療方法が異なります。どちらの治療が最適かは、医師とよく相談して決めるとよいでしょう。

 

ここでは、インプラント・差し歯の治療ができる人の特徴について解説します。

 

インプラント治療ができる人の特徴

 

インプラント治療は、顎の骨のなかにインプラント体(人工歯根)を埋入するため、顎の骨に十分な厚みや量がない方は治療を受けられません。顎の骨に問題がなく、歯茎や口内の状態が清潔で健康的な方がインプラント治療を問題なく受けられるでしょう。また、重度の歯周病や、禁煙、既往歴があり内服している薬がないことも重要なポイントです。外科手術がともなう治療のため、場合によっては治療を受けられないケースがあります。

 

差し歯治療ができる人の特徴

 

差し歯は、人工歯を装着するための歯根に問題がなければ治療を受けられるでしょう。自分の歯根が残っていない場合は、差し歯の治療を受けられません。また、歯根の状態がよくなかったり、複雑に割れていたりする場合も、治療を受けられない可能性があるでしょう。その場合でも放置してしまわず、ブリッジや入れ歯、インプラント治療など他の治療法で歯を補うことが大切です。

 

インプラント・差し歯の
治療にかかる費用と期間

費用と期間

 

インプラント・差し歯の治療にかかる費用と期間は、それぞれ大きく異なります。治療を受ける際の歯や歯茎、骨の状態によっても治療期間や費用が異なることがあるでしょう。

 

ここでは、インプラント・差し歯の治療にかかる費用・期間について解説します。

 

インプラント治療にかかる費用と期間

 

インプラント治療は、原則として保険適用されないため自由診療となり、それぞれの医院で自由に費用を設定しています。そのため、医院や地域によって費用に差はありますが、1歯30~60万円ほどで治療が受けられます。その他、骨の量を増やす手術などが必要な場合は、追加で数万~数十万円の費用が発生するケースがあるでしょう。

 

治療にかかる期間は、数ヶ月~1年弱ほどです。ただし、インプラント埋入手術の他に必要な治療がある場合は、治療期間が長くなってしまうでしょう。治療を開始する前に、大まかな治療期間を聞いておくと今後のスケジュールに影響が出にくいでしょう。

 

差し歯治療にかかる費用と期間

 

差し歯は、装着する人工歯によって費用が大きく異なります。金属製のものは保険適用で作成できるため、前歯であれば1歯1万円ほど治療を受けられます。保険適用外で、強度や審美性の高いセラミック、ジルコニア、ゴールドなどの素材で差し歯を作成する場合は、8~20万円ほどで治療を受けられます。ただし、保険適用外の素材は医院や地域によって費用に大きな差が出ることがあるでしょう。

 

差し歯治療にかかる期間は、1ヶ月~数ヶ月ほどです。歯根の状態がよく他に必要な治療がない場合は、短期間で完了するケースもあるでしょう。ただし、人工歯に使用する素材によって、治療期間に差が出ることがあります。治療期間が気になる方は、事前に医師と相談してから素材を決定してもよいでしょう。

 

インプラントのメリット・デメリット

 

インプラント治療は、医師の指示を守りながら検診やメンテナンスを受けていると、さまざまなメリットが得られる治療です。代表的なメリットには、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 残っている歯を守りながら独立した治療が可能
  • 自分の歯のようにしっかり食べ物を噛める
  • 天然歯とよく馴染むため見た目が気にならない

 

一方で、デメリットには以下のようなものが挙げられます。

 

  • 外科的手術が必要なため受けられないケースがある
  • 治療期間が長い
  • メンテナンスに通う必要がある

 

インプラント治療は、一般的な虫歯治療のように短期間で終了しないケースがほとんどです。また、治療完了後にもメンテナンスのために通院する必要があるため、長期的な治療となります。

 

差し歯のメリット・デメリット

 

差し歯はインプラント治療に比べて外科手術がともなわないため、少ない負担で治療を受けられます。差し歯のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 治療期間が短い
  • 素材により保険適用か自由診療かを選択できる

 

一方で、デメリットには以下のようなものが挙げられます。

 

  • 素材によっては金属が目立つ
  • 歯根の状態によっては耐久性が低くなる

 

保険適用の素材では費用を安く抑えられることも可能ですが、審美性が損なわれてしまうことがデメリットとして挙げられます。また、歯根の状態によっては耐久性が低くなり、歯根が割れてしまうこともあるでしょう。

 

まとめ

 

インプラントと差し歯について解説しました。それぞれメリット・デメリットが異なり、費用や治療期間にも大きな差があります。失った歯を補う治療として同じように見えますが、それぞれの特徴や注意点をしっかりと把握して治療法を選択するようにしましょう。治療方法に迷った場合は、近くの歯科医院を受診して医師とよく相談し、セカンドオピニオンの利用もおすすめです。

 

山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:理事長/齋藤和重

インプラントでローンは利用できる?デンタルローンのメリット・注意点を解説

インプラント ローン

 

失った歯を補う治療法として、インプラント治療を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、機能面・審美面の両面で優れているインプラント治療は、健康保険が適用されないため費用が高額になりがちです。

 

そんな費用がネックとなり、治療を先延ばしにしたり治療を踏みとどまったりするのも無理はありません。そんななかで、歯科医院やネットなどで「デンタルローン」の話を耳にし、どのような支払い方法なのか気になっている方もいるでしょう。

 

そこで今回は、インプラントでデンタルローンは利用できるのか、デンタルローンのメリットや注意点とあわせてくわしく解説します。インプラント治療を検討している方、デンタルローンの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

インプラント治療でローンが使える?

 

デンタルローンとは、インプラント治療や矯正治療など、高額な歯科治療費を金融機関などに立て替えてもらって治療費を支払う方法です。デンタルローンはインプラント治療でも利用できるため、すぐに費用を工面できない方はデンタルローンの利用を検討してみてもよいでしょう。デンタルローンは歯科医院の窓口で手続きできることが多いため、気になる方は歯科医院でくわしい内容について問い合わせてみましょう。

 

クレジットカード分割払いとの違い

 

デンタルローンもクレジットカードも分割で支払うことに変わりはありませんが、デンタルローンを利用するためには審査を通す必要があります。原則、20歳以上の安定した収入がある方が審査の対象となり、アルバイトや主婦の方は保証人が必要な場合があります。

 

また、デンタルローンはクレジットカードの分割払いに比べて安い金利で利用できます。同じ分割払いでも、安い金利で利用できるデンタルローンの方が総支払いを安く済ませられるメリットがあります。

 

デンタルローンの4つのメリット

デンタルローンのメリット

 

デンタルローンの利用で、急ぎの治療にも対応できるケースがあります。最適なタイミングで治療を受けられることで、症状の悪化を防いだり治療の難易度を下げたりできます。

 

他にも、デンタルローンの利用には以下のようなメリットが挙げられます。

 

  • まとまったお金が無くても治療可能
  • 医療費控除の対象にもなる
  • 分割手数料が抑えられる
  • 窓口が歯科医院の場合もある

 

では、それぞれの項目をくわしく解説します。

 

①まとまったお金が無くても治療可能

 

デンタルローンを利用すると金融機関が治療費を立て替えてくれるため、手元にまとまったお金を準備できなくてもインプラント治療を受けられます。金銭面がネックとなりインプラント治療を先延ばしにしていた方でも、最適なタイミングで治療を受けられるでしょう。ただし、お金を借りていることに変わりはありません。軽い気持ちで借りてしまうと、返済が難しくなる可能性もあるため慎重に考えるようにしましょう。

 

②医療費控除の対象にもなる

 

一年間に支払った治療費が10万円を超える場合は、医療費控除申告の対象となります。インプラント治療はほとんどのケースで10万円を超えるため、申告の条件のクリアは難しくないでしょう。デンタルローンで支払った場合でも医療費控除の対象になるため、支払った治療費の一部を受け取れます。

 

③分割手数料が抑えられる

 

デンタルローンは、クレジットカード決済に比べて金利が安いことがメリットとして挙げられます。そのため、同じ分割払いでも手数料を抑えながら支払いを続けられます。分割払いで費用を少しでも抑えたい方は、デンタルローンの利用が向いているでしょう。

 

④窓口が歯科医院の場合もある

 

一般的なローンでは銀行窓口などへ出向いて手続きをしますが、デンタルローンの手続きは歯科医院の受付でできることがほとんどです。手続きが可能な平日のお昼に銀行へ出向く必要が無いため、仕事などで忙しい方でも手続きが可能です。歯科医院で手続きが行える場合は、分割回数などの相談に乗ってもらえることもあるでしょう。

 

デンタルローンを利用する際の注意点

デンタルローンの注意点

 

デンタルローンの利用で、まとまったお金の準備ができなくても治療を受けられます。しかし、デンタルローンはお金を借りることに変わりはないため、以下のような注意点が存在します。

 

    • 借り入れの審査がある
    • 金利がかかる
    • 利用できない歯科医院もある

 

では、それぞれの項目をくわしく解説します。

 

①借り入れの審査がある

 

デンタルローンの借り入れには、一般的なローンと同じように審査があります。審査の基準はデンタルローンの種類によって少し異なることがありますが、ほとんどのケースで借入額と収入額のバランスで判断されます。他の金融機関からの借り入れのローン残高や延滞の記録も確認されるでしょう。当然ですが、審査に落ちてしまえば利用できないため注意が必要です。

 

②金利がかかる

 

治療費を立て替えてくれる嬉しい制度ではありますが、金融機関からお金を借りていることに変わりはありません。返済時には手数料と金利を支払う必要があるため、最終的な支払い金額は実際に治療にかかる費用よりも多くなってしまいます。また、低金利であればあるほど審査が厳格になってしまうため、心配な方は利用するデンタルローンを自ら探して申請する方法もあります。

 

③利用できない歯科医院もある

 

デンタルローンは、すべての医院で取り扱いがあるとはいえません。また、デンタルローンの手続きを医院の窓口ではできないケースもあるでしょう。医院独自の分割払いシステムを採用しているケースもあるため、分割払いを希望する場合は医院へ確認してみましょう。

 

デンタルローンの利用が
おすすめの人の特徴

デンタルローンがおすすめの人

 

デンタルローンは、高額な治療費を立て替えてくれる制度です。治療を先延ばしにすると症状が悪化する可能性のある方や、まとまったお金の準備が難しい方は、デンタルローンの利用価値があるといえるでしょう。

 

ただし、治療費の他にも手数料や金利がかかるため最終的に支払う費用は大きくなってしまいます。デンタルローンの利用による手数料がかさみ、支払いが難しくなるケースも否定できません。歯科医院の受付でデンタルローンの手続きができる場合は、利用に関する相談をしてみると安心です。インプラント治療は長期的な付き合いとなるため、小さなことでも気軽に相談できる医院が望ましいでしょう。

 

まとめ

 

インプラントのデンタルローンについて解説しました。デンタルローンの利用には審査があるためすべての方が利用できるわけでは無いものの、高額な歯科治療のハードルを下げてくれる嬉しい制度です。予算の問題でインプラント治療に踏み出せずにいた方は、デンタルローンの利用も視野に入れてみましょう。くわしい利用方法などは、治療を受ける歯科医院で確認してみましょう。

 

山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:理事長/齋藤和重

インプラントの種類と構造を解説|セラミック・ジルコニアなど素材についても紹介

歯の模型

 

失った歯を補うための治療はさまざまなものがありますが、独立した治療が可能なインプラント治療はたくさんのメリットが得られます。審美性にも優れているため、第一候補として検討している方も多いでしょう。

 

しかし、インプラント治療は手術が必要な治療であり、構造が気になる方もいるのではないでしょうか。また、インプラントメーカーなど「種類にもこだわりたい」と考えている方もいるでしょう。

 

そこで今回は、インプラントの種類と構造をわかりやすく解説します。人工歯に使われるセラミック・ジルコニアなどの素材についても解説するので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

そもそもインプラントの構造とは?

歯の絵を虫眼鏡でのぞく様子

 

インプラント治療は、歯を支えている骨のなかに人工歯根となるインプラント体を埋入し、その上に人工歯を取り付ける治療方法です。治療方法によって異なりますが、以下の3つのパーツに分けられます。

 

 

  • インプラント
  • アバットメント
  • 上部構造

 

 

では、インプラントの構造についてくわしく解説します。

 

インプラント

歯科におけるインプラント治療で「インプラント」もしくは「インプラント体」と呼ばれる部分は、骨のなかに埋め込むネジのような形をした人工歯根の部分を指します。独立した治療を可能にするために歯の根っこの代わりとなり、インプラント治療の土台となる重要な役割をしています。体内に直接埋め込むため、アレルギー反応が少なく腐食しにくいチタン製のものが主流です。

 

アバットメント

アバットメントとは、インプラント体と人工歯を結合させるための器具です。骨のなかに埋め込んだインプラント体と接続し、歯茎から露出させる状態で取り付けます。一人ひとりの歯茎の厚みやインプラント体の角度などを考慮して最適なものを取り付け、噛み合わせが悪くならないように工夫されています。アバットメントは、インプラント体と一体型のものもあり、症例によって使い分けも可能です。

 

上部構造物

上部構造とは、失った歯の代わりとなる人工歯を指します。歯茎から露出させたアバットメントへ装着し、実際に食べ物を咀嚼する役割を持ちます。使用する素材は、審美面や強度に優れているセラミック・ジルコニアなどが主流で、保険診療で作成する入れ歯やブリッジのように金属が目立ってしまうことはありません。

 

 

インプラントの種類とは?

歯の絵を虫眼鏡でのぞく様子とはてなマーク

 

インプラントは、一回法と二回法の2種類に分けられます。一回法では、インプラント体を埋入する際に高さのあるヒーリングキャップを取り付けるため、アバットメントを取り付けるための二次手術を受ける必要がありません。手術の回数が少ないため負担が少なく、治療期間も短縮できるメリットがあります。ただし、骨の厚みや量が十分ではない一回法が適用できないケースもあり、すべての症例に適用できる治療法ではありません。

 

一方の二回法は、インプラント体とアバットメントが分離しているため、インプラント体埋入手術(一次手術)を受けたあとに、アバットメントを取り付ける手術(二次手術)を受ける必要があります。インプラント体を埋入してから治癒期間を設けるため、骨とインプラント体がしっかり結合するのが二回法のメリットです。ただし、2回に渡って手術を行うため負担が大きいことや、インプラントとアバットメントの結合部分が緩くなる可能性があることが注意点として挙げられます。

 

インプラントのメーカー

 

骨に埋め込むインプラントメーカーは、世界に数百社あるといわれています。自分で好きなように選ぶことはできませんが、適切で信頼のあるメーカーのインプラントを使用することで、正しく機能するインプラント治療となるでしょう。なかでも代表的なのは、以下の4社です。

 

 

  • スイスのストローマン社(ITIインプラント)
  • アメリカのジーマーデンタル社(カルシテックインプラント)
  • スウェーデンのアストラテック社(アストラインプラント)
  • スウェーデンのノーベルバイオケア社(ブローネマルクインプラント)

 

 

これらは世界的に大きなシェアを持つ代表的なインプラントで、世界中のインプラントドクターから信頼を得ています。いずれのメーカーも10年以上の臨床実績があり、科学的根拠に裏付けられた品質・安全性の高い製品を提供していることが、医師からの信頼へつながっています。

 

上部構造物の種類

歯の模型を持つ手

 

インプラントの上部構造にはさまざまな種類があり、予算や部位にあわせた素材を選べます。基本的にセラミックがベースのものが多いため、金属アレルギーがある方でも心配が少ないでしょう。代表的なものは以下の3種類です。

 

 

  • セラミック
  • ジルコニア
  • ハイブリッドセラミック

 

 

では、それぞれの素材についてくわしく解説します。

 

セラミック

すべてセラミックでできている審美性に優れた素材です。劣化による変色の心配がないため、長期的に美しい状態を保てます。ただし、強く噛み合う部分では欠けたり破損したりするリスクがあり、噛み合わせが強い方には不向きでしょう。

 

ジルコニア

ジルコニアは耐久性・審美性に大変優れており、適用できる部位が多いことが特徴です。歯ぎしりや食いしばりが強い方の奥歯にも使用でき、割れる心配はほとんどありません。審美性にも優れているので前歯にも適用され、汎用性に優れた素材といえるでしょう。

 

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、歯科用プラスチックとセラミックをあわせた素材です。保険適用のプラスチックに比べて強度は増しているものの、セラミックやジルコニアに比べるとやや劣ります。また、劣化すると変色する点でも、他の素材より劣る部分が多いといえますが、安価で作成できることがメリットとして挙げられます。

 

オールオン4とは?

 

オールオン4とは、インプラント治療法の一つで、多くの歯を失った方向けのその日から軽い食事ができる治療方法です。片顎最小4本のインプラントですべての人工歯を支える治療法で、インプラントの埋め込みから歯の装着まで1日で完了します。

 

ただし、非常に高い技術が求められる治療であり、適用できるケースが少ないというデメリットも挙げられます。適用できる症例かどうか、医師とよく相談して治療を受けるようにしましょう。また、どの医院でも対応している治療法ではないため、検討している方は事前に確認しておくとスムーズに進みます。

 

まとめ

 

インプラント治療の種類や構造について解説しました。独立した治療が可能なため、残っている健康な歯を守れるインプラント治療は、さまざまなメリットが得られるといえるでしょう。ただし、治療を受ける際には自分の症例に合った適切な方法で、質のよい治療を受けるようにしましょう。安易に選んでしまうと、すぐに脱落したり感染症を引き起こしたりと、失敗してしまう可能性もあります。

 

山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:理事長/齋藤和重