歯周病が進行した状態で他の治療を優先してしまうと起こりやすい問題とは?
こんにちは。スマイルパートナーズ山手歯科クリニックです。
「重度の歯周病です」と説明を受けたものの、どこか実感が持てない——
そんな感覚はありませんか。
痛みが強いわけでもない。見た目が大きく変わったわけでもない。
だからこそ、「まずは気になっている虫歯から」「被せ物を先に治したい」と考えてしまうのは、ごく自然なことです。
多くの方が治療のきっかけにするのは、“痛み”や“見た目の変化”です。
一方で、歯周病は静かに進行する病気。
強い痛みが出にくいため、緊急性を感じにくいという特徴があります。
しかし実際には、歯周病は歯ぐきだけの問題ではありません。
歯を支えている骨にまで影響を及ぼす可能性がある、「土台」に関わる病気です。
見た目や一時的な症状を整える治療よりも、
なぜ歯周病のコントロールが優先されることが多いのか。
このコラムでは、
・なぜ歯周病は後回しにされやすいのか
・「重度」と言われても実感が湧きにくい理由
・歯周病を先に整えることが将来の治療にどう影響するのか
を、分かりやすく整理していきます。
「今すぐ困っていないから大丈夫」なのか、それとも「今こそ整えるべき土台」なのか。
判断のヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
1.「歯周病より先に他の治療を」と考えてしまう背景
重度歯周病と診断されたとしても、「まずは他の治療を優先したい」と感じる方は少なくありません。
歯ぐきの問題よりも、痛みや見た目の不具合のほうが気になってしまうことは、ごく自然な反応です。
しかし、その背景にはいくつかの心理的な要因があります。
痛みや見た目の問題を優先したくなる心理
多くの方にとって、治療のきっかけは「痛み」や「見た目の変化」です。
虫歯の痛みや被せ物の破損、歯の欠けなどは、日常生活に直接的な影響を与えます。
・食事がしづらい
・人前で口元が気になる
・急な痛みで不安になる
こうした症状があると、「まずはそこを治したい」と考えるのは自然です。
一方で、歯周病は進行していても強い痛みが出にくいことがあります。
そのため、目の前の不具合を優先し、歯周病の治療を後回しにしてしまう傾向があります。
歯周病は後回しでも大丈夫と思いがちな理由
歯周病は、初期から中等度の段階では自覚症状が少ないことが多い病気です。
出血や腫れがあっても、「そのうち良くなるのでは」と考えてしまうことがあります。
また、
・痛みがないから深刻ではないと思ってしまう
・歯ぐきの問題は軽いものと感じてしまう
・今すぐ困っていないから様子を見ようと考える
といった心理も働きやすくなります。
しかし、歯周病は静かに進行する特徴があります。
症状が強くなったときには、すでに骨の吸収が進んでいる場合もあります。
「今は大丈夫」という感覚と、実際の進行度が一致しないことがある点に注意が必要です。
重度と聞いても実感が持てない現実
「重度歯周病」と説明を受けても、実感が湧きにくい方もいます。
痛みが少ない場合、言葉の重さと体感が結びつかないことがあります。
また、レントゲンや検査結果の説明を受けても、
・どのくらい進行しているのかが分かりにくい
・将来どのような影響があるのか想像しづらい
・今すぐ何が起こるのかが見えにくい
と感じることもあります。
その結果、「重度」と言われても危機感を持ちにくく、他の治療を優先してしまうことがあります。
言葉だけでなく、自分の状態を具体的に理解することが重要です。
「歯周病より先に他の治療を」と考えてしまう背景には、
・痛みや見た目の問題を優先したくなる心理
・歯周病は後回しでも大丈夫と感じやすい特性
・重度と聞いても実感が持てない現実
があります。
歯周病は自覚症状が少ないまま進行することがあるため、見た目や痛みだけで判断するのは適切とは言えません。
2.歯周病が進行する仕組みを正しく理解する
重度歯周病と聞くと、「そこまで悪い状態なのだろうか」と戸惑う方も少なくありません。
しかし、歯周病は突然重度になるわけではなく、段階を踏んで進行していく病気です。
その仕組みを正しく理解することが、後回しにしないための第一歩になります。
歯ぐきの炎症から骨の吸収までの流れ
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまった細菌によって炎症が起こることから始まります。
初期段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきの際に出血したりすることがあります。
この段階を「歯肉炎」と呼びます。
まだ歯を支える骨への影響は少なく、適切なケアで改善が期待できる状態です。
しかし、炎症が長期間続くと、細菌の影響が歯ぐきの奥に広がります。
やがて、歯を支えている顎の骨が少しずつ吸収されていきます。
これが「歯周炎」と呼ばれる段階です。
骨が吸収されると、歯は支えを失い、動揺しやすくなります。
この状態がさらに進むと、抜歯が検討されることもあります。
歯周病は、歯ぐきの問題だけではなく、歯を支える土台そのものに影響を及ぼす病気です。
自覚症状が少ないまま進行する特徴
歯周病が厄介とされる理由の一つは、自覚症状が少ないまま進行することです。
強い痛みが出ることは比較的少なく、違和感も軽度である場合があります。
例えば、
・出血しても一時的に止まる
・口臭があっても慣れてしまう
・歯が少し揺れても日常生活に支障がない
といった状況では、深刻さを実感しにくくなります。
そのため、症状が軽いと感じている間にも、骨の吸収が進行していることがあります。
自覚症状と実際の進行度が一致しないことが、歯周病の大きな特徴です。
定期的な検査や専門的な評価が重要とされる理由は、ここにあります。
「重度歯周病」と判断される状態
重度歯周病と判断されるのは、歯を支える骨が大きく失われている状態です。
歯周ポケットが深くなり、歯の動揺が見られることもあります。
具体的には、
・歯ぐきの奥に深いポケットが形成されている
・レントゲンで骨の吸収が確認される
・歯のぐらつきがある
といった所見が重なる場合に、重度と評価されることがあります。
ただし、「重度」と言われたからといって、すぐに抜歯が必要とは限りません。
状態を正確に把握し、どの段階まで回復や維持が見込めるのかを見極めることが重要です。
歯周病は、
・歯ぐきの炎症から始まり
・徐々に骨の吸収へと進行し
・自覚症状が少ないまま悪化することがある
という特徴を持つ病気です。
「重度歯周病」と診断された場合でも、その状態を正しく理解することが、適切な判断につながります。
3.重度歯周病を後回しにすると起こりやすい問題
重度歯周病と診断されても、「まずは他の治療を」と考える方は少なくありません。
しかし、歯周病を十分にコントロールしないまま他の処置を進めると、思わぬ影響が出ることがあります。
歯周病は、口腔内の“土台”に関わる病気です。
その土台が不安定な状態で治療を重ねることには、注意が必要です。
被せ物やインプラントの成功率への影響
被せ物やブリッジ、インプラントといった補綴治療は、安定した歯ぐきと骨が前提になります。
歯周病によって炎症や骨吸収が進んでいる状態では、支えとなる組織が十分とは言えない場合があります。
例えば、
・被せ物を装着しても、歯ぐきの炎症が続く
・歯の動揺が進み、支えとしての安定性が低下する
・インプラント周囲に炎症が起こりやすくなる
といった可能性があります。
歯周病がコントロールされていないままでは、補綴物の長期的な安定が難しくなることがあります。
そのため、歯周病治療が「土台」として位置づけられることが多いのです。
噛み合わせ全体のバランスの崩れ
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、歯がわずかに動くことがあります。
この動揺が続くと、噛み合わせ全体のバランスに影響を及ぼすことがあります。
・一部の歯に過度な負担がかかる
・咀嚼時の力の分散がうまくいかない
・顎関節に負担がかかる
といった状態が生じる可能性があります。
見た目や一部の症状だけを改善しても、噛み合わせ全体が不安定なままでは、長期的な安定は得にくくなります。
歯周病の進行は、局所的な問題にとどまらず、口腔内全体に影響を及ぼす点に注意が必要です。
治療計画が変更になる可能性
歯周病を後回しにしている間に進行が進むと、当初の治療計画を変更せざるを得ない場合があります。
例えば、
・保存できると考えていた歯が抜歯の対象になる
・追加の処置が必要になる
・治療期間が延びる
といったケースです。
早い段階で歯周病をコントロールしていれば、選択肢が広がることもあります。
一方で、進行が進むと、治療の幅が狭まることもあります。
後回しにすることは一時的な安心につながるかもしれませんが、将来的な負担が増える可能性もあります。
そのため、現在の状態を正確に把握し、優先順位を整理することが重要です。
重度歯周病を後回しにすると、
・補綴治療の安定性に影響が出る可能性
・噛み合わせ全体のバランスが崩れる可能性
・治療計画が変更になる可能性
が考えられます。
歯周病治療は、他の処置を支える土台となるものです。
将来の選択肢を守るためにも、まずは現状を正しく把握し、適切な順序で治療を検討することが大切です。
4.なぜ歯周病治療が土台とされるのか
歯周病の治療は、単独で完結するものではありません。
被せ物やインプラント、矯正治療など、さまざまな歯科治療を検討する際に「まず歯周病のコントロールから」と説明されることがあります。
それは、歯周病治療が他の治療を支える“土台”と考えられているからです。
口腔内環境の安定が前提となる理由
歯科治療の多くは、安定した歯ぐきや骨の状態を前提としています。
歯周病が進行している状態では、歯を支える組織が不安定になっている可能性があります。
例えば、
・歯ぐきに慢性的な炎症がある
・歯周ポケットが深くなっている
・歯を支える骨が減少している
といった状態では、補綴物を装着しても長期的な安定が得にくいことがあります。
見た目や機能を回復する治療を行う前に、口腔内の環境を整えることが重要です。
土台が安定していなければ、その上に築く治療も不安定になりやすくなります。
炎症をコントロールする重要性
歯周病の本質は、細菌による慢性的な炎症です。
この炎症が続くと、歯ぐきだけでなく骨にも影響が及びます。
炎症を放置したままでは、
・治療部位の治癒が遅れる可能性
・新たな炎症が広がる可能性
・歯の動揺が進行する可能性
が考えられます。
歯周病治療では、プラークや歯石の除去、日常のセルフケアの見直しなどを通じて、炎症のコントロールを目指します。
炎症が落ち着くことで、歯ぐきの状態が安定し、他の治療も計画しやすくなります。
「痛みがないから大丈夫」と考えるのではなく、目に見えにくい炎症を適切に管理することが大切です。
長期的な予後との関係
歯科治療は、短期間で終わる処置であっても、その後の経過を含めて考える必要があります。
歯周病がコントロールされていない場合、数年後に再び問題が生じる可能性があります。
例えば、
・被せ物の周囲に炎症が再発する
・インプラント周囲にトラブルが起きる
・残っている歯の状態が悪化する
といったケースです。
一方で、歯周病治療によって口腔内環境が安定していれば、他の治療の長期的な予後も良好に保ちやすくなります。
短期的な改善だけでなく、将来の状態まで見据えた判断が重要です。
歯周病治療が土台とされる理由は、
・口腔内環境の安定が他の治療の前提となること
・炎症をコントロールすることが重要であること
・長期的な予後に大きく関わること
にあります。
見た目や機能の回復を急ぐ前に、まずは土台を整えることが、結果的に治療全体の安定につながります。
5.進行していても検討できる治療の選択肢
「重度歯周病」と診断されると、「もう歯は残せないのではないか」と不安になる方も少なくありません。
しかし、進行している場合でも、すぐに抜歯が必要とは限りません。
状態を正確に把握し、段階を踏んで治療を進めることで、選択肢が見えてくることもあります。
段階的に行う歯周病治療の流れ
歯周病治療は、一度にすべてを解決するものではなく、段階的に進められることが一般的です。
まずは検査によって、歯周ポケットの深さや骨の吸収の程度を評価します。
そのうえで、
・歯石やプラークの除去
・ブラッシング方法の見直し
・必要に応じた歯周外科処置
などを組み合わせて、炎症のコントロールを目指します。
いきなり大きな処置を行うのではなく、まずは基本的な治療でどこまで改善が見込めるかを確認することが重要です。
段階的な治療によって、状態が安定するケースもあります。
歯を残すためのアプローチ
歯を残せる可能性がある場合には、その可能性を慎重に見極めながら治療が進められます。
例えば、
・歯周組織の再生療法が検討されるケース
・噛み合わせの調整によって負担を減らす方法
・部分的な外科処置で炎症部位を改善する方法
などがあります。
ただし、すべてのケースで同じ治療が適応になるわけではありません。
骨の吸収の範囲や歯の動揺の程度によって、選択肢は変わります。
重要なのは、「残すこと」が目的化するのではなく、「長期的に安定するかどうか」という視点で判断することです。
無理に残すことで、周囲の歯に影響が及ぶ可能性もあるため、全体を見た判断が必要です。
抜歯が検討される場合の考え方
重度歯周病が進行し、歯の支えとなる骨が大きく失われている場合には、抜歯が検討されることもあります。
この判断は、決して安易に行われるものではありません。
抜歯が選択肢に挙がる背景には、
・感染源を取り除く必要性
・周囲の歯を守るための判断
・将来的な治療計画を安定させる意図
があります。
抜歯という言葉に強い不安を感じるのは当然です。
しかし、その歯を残すことが長期的にリスクとなる場合もあります。
重要なのは、なぜ抜歯が提案されているのか、その理由を理解することです。
十分な説明を受け、自分の状態に照らして考えることが大切です。
重度歯周病であっても、
・段階的な治療による改善の可能性
・歯を残すためのさまざまなアプローチ
・必要に応じた抜歯という選択肢
があります。
大切なのは、「重度だからもう無理」と決めつけることではなく、現在の状態を正確に把握し、長期的な安定を見据えて判断することです。
6.他の治療と並行する場合の注意点
重度歯周病がある状態でも、虫歯の治療や被せ物のやり替え、インプラントなど、他の治療を同時に検討するケースは少なくありません。
症状や生活上の事情によっては、すべてを順番通りに進めることが難しい場合もあります。
そのようなときこそ、慎重な判断と整理が重要になります。
優先順位を整理する意味
複数の問題がある場合、「どれから取り組むべきか」を整理することが必要です。
痛みがある治療を優先することは合理的な場合もありますが、歯周病が進行しているときは、その影響も考慮しなければなりません。
例えば、
・急性の痛みがある部位
・感染が強く疑われる歯
・機能回復が急がれるケース
などは、優先度が高いことがあります。
一方で、歯周病が全体的に進行している場合、土台を整えないまま他の処置を進めると、結果に影響する可能性があります。
優先順位を整理することは、治療を急ぐことではなく、無理のない順序を考えることです。
治療の順番が結果に影響する理由
歯科治療は、それぞれが独立しているように見えても、実際には相互に影響し合っています。
歯周病がコントロールされていない状態で補綴治療を行うと、歯ぐきの炎症や骨の状態によって安定性が左右されることがあります。
また、
・噛み合わせが不安定なまま被せ物を装着する
・歯周治療前にインプラントを検討する
といった順序は、長期的な予後に影響する可能性があります。
治療の順番は、単なる手続きではありません。
口腔内全体のバランスを考えたうえで決める必要があります。
そのため、治療計画の説明を受ける際には、「なぜこの順番なのか」を確認することが大切です。
総合的な治療計画の重要性
複数の問題がある場合、それぞれを個別に考えるのではなく、全体を見通した計画が必要です。
歯周病、虫歯、噛み合わせ、補綴治療などを総合的に捉える視点が求められます。
総合的な治療計画では、
・最終的なゴールは何か
・どの治療が土台となるか
・将来のメンテナンスはどうなるか
といった点が整理されます。
その計画があることで、途中で方針が大きく変わるリスクを減らすことができます。
場当たり的に処置を進めるのではなく、段階的に進めることが安定につながります。
他の治療と並行する場合には、
・優先順位を整理すること
・治療の順番が結果に影響することを理解すること
・総合的な治療計画を立てること
が重要です。
目の前の症状だけで判断せず、口腔内全体を見据えた計画を立てることが、長期的な安定につながります。
不安がある場合は、治療の順序や目的について丁寧に確認することが大切です。
7.不安を整理して相談するための準備
重度歯周病と診断されたとき、「何から考えればよいのか分からない」と戸惑う方は少なくありません。
不安が大きいまま相談すると、説明を十分に理解できなかったり、聞きたいことを聞きそびれてしまうこともあります。
落ち着いて判断するためには、事前の整理が役立ちます。
現在の症状を書き出してみる
まずは、ご自身が感じている症状や気になっている点を書き出してみることが有効です。
例えば、
・歯ぐきの腫れや出血
・歯のぐらつき
・口臭が気になる
・噛みにくさや違和感
といった内容です。
頭の中で考えているだけでは曖昧な不安も、言葉にすることで整理されやすくなります。
また、症状の経過や、いつから気になっているのかも記録しておくと、診断の参考になることがあります。
自分の状態を客観的に見つめ直すことが、適切な相談につながります。
どの治療を優先したいかを明確にする
複数の治療が提案される場合、何を優先したいのかをあらかじめ考えておくことも重要です。
・痛みをまず改善したい
・見た目を整えたい
・できるだけ歯を残したい
・将来的な安定を重視したい
といった希望は、人それぞれです。
すべてを同時に進めることが難しい場合もあるため、優先順位を整理しておくことで、治療計画の説明も理解しやすくなります。
自分の希望を明確にすることは、医師との対話を深めるうえで大切な準備です。
専門的な検査で現状を把握する
歯周病は、自覚症状だけでは進行度を正確に判断できません。
そのため、専門的な検査による評価が欠かせません。
例えば、
・歯周ポケットの測定
・レントゲンやCTによる骨の確認
・噛み合わせの分析
などが行われます。
これらの検査結果をもとに、現在の状態や将来の見通しが説明されます。
感覚だけで判断するのではなく、客観的なデータを踏まえることで、不安は具体的な課題へと整理されます。
不安を抱えたまま相談するのではなく、
・現在の症状を書き出すこと
・優先したい治療を明確にすること
・専門的な検査で現状を把握すること
を意識することで、話し合いはより建設的になります。
自分の状態を正しく知ることが、適切な判断への第一歩です。
準備を整えたうえで相談することで、不安は少しずつ整理されていきます。
8.医院選びで確認したいポイント
重度歯周病がある場合、どの医院で治療を受けるかは、その後の経過に大きく関わります。
単に症状を改善するだけでなく、口腔内全体の安定を見据えた対応が求められるためです。
安心して相談できる環境を選ぶことは、治療そのものと同じくらい重要です。
歯周病と補綴治療を総合的に考えているか
歯周病が進行している状態では、被せ物やブリッジ、インプラントなどの補綴治療と切り離して考えることはできません。
歯周組織の状態が安定していなければ、補綴物の長期的な維持は難しくなることがあります。
そのため、
・歯周病の治療方針と補綴治療を一体として説明しているか
・口腔内全体のバランスを踏まえた提案があるか
・短期的な処置だけでなく、将来の見通しを示しているか
といった点が重要になります。
個別の処置だけでなく、全体像を示してくれるかどうかは、総合的な診療を行っているかを見極める目安になります。
治療の順序を丁寧に説明してくれるか
重度歯周病がある場合、治療の順番が結果に影響することがあります。
どの処置を先に行い、どの段階で補綴治療に進むのかといった順序は、慎重に検討されるべきです。
安心できる医院では、
・なぜこの順番なのかを具体的に説明してくれる
・他の選択肢についても触れてくれる
・疑問に対して時間をかけて答えてくれる
といった対応が見られます。
治療の順序が理解できていると、見通しが立ちやすくなり、不安も整理されやすくなります。
説明が十分であるかどうかは、納得感を左右する大切な要素です。
長期的なメンテナンス体制があるか
歯周病治療は、処置が終われば完結するものではありません。
炎症を再発させないためには、定期的な管理が欠かせません。
そのため、
・定期検診の体制が整っているか
・専門的なクリーニングを継続できるか
・トラブルが生じた場合の対応方針が示されているか
といった点を確認しておくことが重要です。
長期的なメンテナンス体制があることで、治療後の安定が期待しやすくなります。
その場限りの処置ではなく、将来を見据えたサポートがあるかどうかが、医院選びの一つの基準になります。
医院選びでは、
・歯周病と補綴治療を総合的に考えているか
・治療の順序を丁寧に説明してくれるか
・長期的なメンテナンス体制があるか
を確認することが大切です。
重度歯周病の治療は、短期的な処置だけでなく、長期的な安定を目指す取り組みです。
納得して治療に臨むためにも、安心して相談できる環境を選ぶことが重要になります。
9.重度歯周病に関するよくある疑問
重度歯周病と診断されると、「このまま他の治療はできるのだろうか」「どこまで進行すると手遅れになるのか」など、さまざまな不安が浮かびます。
Q.歯周病があっても他の治療はできるのか
A.結論から言うと、歯周病がある状態でも他の治療が可能な場合はあります。
ただし、そのままの状態で進めるのではなく、歯周病のコントロールを優先することが多くなります。
例えば、
・被せ物をやり直したい
・インプラントを検討している
・見た目を改善したい
といったご希望があっても、歯ぐきの炎症や骨の吸収が進んでいる場合は、まず歯周病治療から始めることが基本となります。
歯周組織が安定していないまま補綴治療を行うと、土台が不安定なまま進めることになり、長期的な予後に影響する可能性があります。
そのため、「できるかどうか」ではなく、「どの順番で行うか」が重要な視点になります。
Q.どの程度まで進行すると難しくなるのか
A.歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、進行すると歯を支える骨が吸収されていきます。
重度と判断されるのは、骨の吸収が大きく、歯の動揺が強い状態などが該当します。
ただし、「この段階を過ぎたら必ず抜歯」と一律に決まるものではありません。
残存している骨の量や位置、全身状態、患者様のご希望など、複数の要因を総合的に判断します。
一方で、進行が進むほど治療の選択肢が限られる可能性があることも事実です。
そのため、
・現在の進行度を正確に把握する
・残せる歯と難しい歯を見極める
・将来的なリスクを共有する
といった検査と説明が大切になります。
「どこまでなら大丈夫か」を自己判断するのではなく、専門的な評価を受けることが重要です。
Q.治療にはどのくらいの期間がかかるのか
A.重度歯周病の治療期間は、症状の程度や治療内容によって大きく異なります。
初期治療としてのクリーニングや歯石除去に加え、必要に応じて外科的な処置が検討されることもあります。
一般的には、
・炎症のコントロールに一定の期間を要する
・状態の再評価を行いながら段階的に進める
・安定後も定期的なメンテナンスが必要
といった流れになります。
数回の通院で完了するケースもあれば、数か月以上かけて慎重に進める場合もあります。
重要なのは、短期間で終わらせることよりも、安定した状態を維持できる土台を整えることです。
重度歯周病に関しては、
・他の治療が可能かどうかは「順番」が重要であること
・進行度は専門的な評価で判断する必要があること
・治療は段階的に進められ、期間には個人差があること
を理解しておくことが大切です。
不安を抱えたまま自己判断せず、まずは現在の状態を正確に把握することが第一歩になります。
その上で、納得できる治療計画を一緒に考えていくことが、将来の安定につながります。
10.歯周病治療は「後回しにしない」ことが将来を左右する
歯周病は、強い痛みが出にくく、自覚症状が少ないまま進行することがある病気です。
そのため、「まだ大丈夫だろう」「他の治療を先に済ませたい」と考えてしまうことも少なくありません。
しかし、重度まで進行した歯周病を後回しにすると、その後に行う被せ物やインプラントなどの治療結果に影響を及ぼす可能性があります。
だからこそ、歯周病治療は“見えない土台を整える治療”として重要視されます。
土台を整えることが結果につながる理由
歯を支えているのは、歯そのものだけではありません。
歯ぐきや歯槽骨といった周囲の組織が安定してはじめて、補綴治療や噛み合わせの調整が長期的に機能します。
炎症が残った状態で新しい被せ物を装着しても、歯周組織が不安定であれば、その効果を十分に発揮できないことがあります。
重度歯周病の治療は、一見すると遠回りのように感じられるかもしれません。
しかし実際には、将来的なトラブルを減らし、再治療のリスクを抑えるための大切な準備段階です。
短期的な見た目や処置の完了だけでなく、長期的な予後を見据える視点が求められます。
今の状態を正しく知ることの大切さ
歯周病の進行度は、見た目だけでは判断できません。
歯ぐきの深さや出血の有無、骨の状態などを検査してはじめて、現在地が明確になります。
「重度」と言われても実感が湧かないのは、症状が急激に現れにくいからです。
だからこそ、
・どの歯がどの程度影響を受けているのか
・残せる可能性はどのくらいあるのか
・今後想定されるリスクは何か
といった情報を共有し、理解することが重要です。
現状を正しく知ることは、不安をあおるためではなく、冷静な判断材料を得るための第一歩です。
まずは専門の歯科医師に相談するという第一歩
歯周病治療を後回しにしないために必要なのは、完璧な知識ではありません。
まずは、現状を把握し、優先順位を整理することです。
専門的な視点から説明を受けることで、「なぜ今この治療が必要なのか」が具体的に理解しやすくなります。
不安や迷いがある場合も、そのままにせず相談することが大切です。
歯周病治療は単独で完結するものではなく、その後の補綴治療やメンテナンスと連動しています。
将来の安定した口腔環境を目指すためには、土台を整える選択が結果を左右します。
歯周病を「今すぐ大きな症状がないから」と後回しにするのではなく、今の状態を知ることから始めてみてください。
それが、将来の歯を守るための確かな一歩になります。
東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F
『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18
*監修者
*経歴
1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。
2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。
2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。
*所属
・ICOI国際インプラント学会 指導医
・ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター
・ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本顎顔面インプラント学会 会員
・国際審美学会 会員
・日本歯科審美学会 会員
・日本アンチエイジング歯科学会 会員
・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)
・CID Club (Center of Implant Dentistry)所属
・国際歯周内科研究会 所属
・5-D JAPAN 所属
・デンタルコンセプト21 所属
・インディアナ大学歯学部 客員 講師
・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員
・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー
・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒
・USC University of Southern California)センチュリー・クラブ
・プレミアム・メンバー
※詳しいプロフィールはこちらより