女性が歯周病になりやすいと言われる理由は?更年期障害との関係
1. 女性に多い「歯周病」――実はホルモンバランスが深く関係しています

・女性ホルモンと歯周組織の関係とは
歯周病は「歯磨きを怠った人がなる病気」と思われがちですが、実はそれだけではありません。特に女性の場合、ホルモンバランスの変化が歯ぐきの状態に大きく影響することが分かっています。
女性ホルモンの中でも「エストロゲン」には、歯ぐきの血流を保ち、コラーゲンを維持する働きがあります。しかし、このホルモン量が増減すると、歯肉の炎症や腫れが起きやすくなり、結果として歯周病のリスクが高まるのです。
そのため、同じ生活習慣でも、ホルモンの変化期にあたる女性は歯ぐきトラブルを経験しやすい傾向があります。
・月経・妊娠・更年期で変わるお口の環境
女性の一生を通して、ホルモンバランスは周期的に大きく変化します。
思春期や月経時期、妊娠期、更年期――いずれの時期も、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが大きく揺れ動きます。
これらのホルモンは、口の中の血管や歯肉の代謝にも影響を与えるため、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりすることがあります。
特に妊娠中は「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる症状が起こりやすく、更年期には唾液の分泌が減ることで歯周病菌が増殖しやすくなる傾向があります。
このように、女性の体とお口の健康は密接に結びついているのです。
・男性よりも女性に歯周病が多い理由
近年の研究では、女性は男性に比べて歯周病にかかるリスクが高いことが報告されています。その背景には、ホルモンの影響だけでなく、生活習慣やストレス、免疫力の変動も関係しています。
例えば、更年期に入るとエストロゲンの分泌が急激に減少し、骨密度が低下することがあります。あごの骨も同じ「骨組織」であるため、歯を支える骨が弱くなると、歯周病が進行しやすくなります。
また、更年期に起こる自律神経の乱れや睡眠の質の低下も、免疫バランスを崩す一因となり、歯周病菌に対して身体がうまく防御できなくなることもあります。
つまり、女性の歯周病は単なる口のトラブルではなく、「全身の変化のサイン」として現れることが多いのです。
「最近、歯ぐきが腫れやすい」「ブラッシングで血が出る」「口臭が気になる」などの変化を感じたとき、それは体からの小さなSOSかもしれません。
歯周病は、早期に気づいて対処することで進行を止められる病気です。
ホルモンバランスの変化期にある女性こそ、歯科での定期チェックを受け、お口と体の両方を整えていくことが大切です。
2. 更年期に歯ぐきのトラブルが増えるのはなぜ?

・更年期に起こる女性ホルモンの変化
40代後半から50代にかけて多くの女性が迎える更年期。この時期には、卵巣の働きが徐々に低下し、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」が急激に減少します。
エストロゲンは、歯ぐきの粘膜や血管、骨の代謝にも深く関係しており、その減少によって歯周組織のバランスが崩れやすくなります。
結果として、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったり、歯の動揺を感じるなどの歯周病の症状が現れやすくなるのです。
「最近、歯が浮く感じがする」「歯ぐきがやせてきた」――そんな小さな変化も、更年期におけるホルモン変動のサインかもしれません。
・エストロゲンの減少が歯ぐきに与える影響
エストロゲンには、歯ぐきの毛細血管を健康に保ち、炎症を抑える働きがあります。ところが更年期に入ると、このホルモンの分泌量が減少し、歯ぐきの血流が悪化。
酸素や栄養が行き渡りにくくなることで、免疫力が低下し、歯周病菌に感染しやすい状態になります。
さらに、歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」の代謝も低下するため、炎症が進むと骨が吸収され、歯の揺れやすさにつながってしまいます。
これは、骨粗しょう症と似たメカニズムであり、実際に歯周病と骨粗しょう症の発症リスクは互いに関連していることが分かっています。
・「歯ぐきの衰え」は老化ではなくケアで防げる
更年期に起こる歯ぐきの変化は、決して「年齢だから仕方ない」と諦める必要はありません。
歯周病は、早期に気づいて対策すれば十分に進行を抑えられる病気です。
特にこの時期は、唾液の分泌が減り、口の中が乾燥しやすくなる「ドライマウス」も重なり、菌が繁殖しやすくなります。そのため、こまめな水分補給や保湿ケア、丁寧なブラッシングが欠かせません。
また、歯科医院での定期的なクリーニングや歯周ポケットのチェックを受けることで、見えない部分の炎症を早期に発見できます。
「最近歯ぐきがしみる」「歯が長くなった気がする」などの変化を感じたときは、更年期特有の症状と捉えず、一度専門の歯科医に相談してみましょう。
早めのケアが、これからの10年・20年の歯の健康を守る第一歩になります。
3. 更年期特有の「ドライマウス」が歯周病を悪化させる

・唾液量の減少が歯周病リスクを高める理由
更年期になると、「口の中が乾く」「朝起きたときにネバつく」といった違和感を訴える女性が増えます。これは、女性ホルモンの減少によって唾液の分泌量が減る「ドライマウス(口腔乾燥症)」の典型的な症状です。
唾液には、口の中を洗い流し、歯周病菌やむし歯菌の繁殖を抑える抗菌作用があります。さらに、粘膜を潤し、歯ぐきの炎症を鎮める働きも持っています。
つまり、唾液の量が減ると、お口の自浄作用が低下し、歯周病菌が増殖しやすくなるのです。乾いた環境は菌にとって“温床”になりやすく、知らないうちに炎症が進行してしまうこともあります。
・口の中が乾くことで起こるさまざまなトラブル
ドライマウスの影響は、歯周病だけにとどまりません。
口臭の悪化、舌のヒリヒリ感、味覚の異常、食べ物が飲み込みにくい――こうした症状もすべて、唾液の減少が原因で起こる可能性があります。
また、口の中が乾燥すると粘膜が傷つきやすくなり、細菌やカビが繁殖しやすい環境になります。その結果、口内炎や舌炎、さらにはカンジダ感染など、慢性的なトラブルに悩まされるケースも少なくありません。
更年期の女性はこれらの症状が重なりやすく、「なんとなく体調がすぐれない」「口の中がいつも不快」と感じながらも、原因が分からないまま過ごしてしまう方も多いのです。
・乾燥を防ぐためのセルフケアと歯科での対策
ドライマウスの改善には、日常生活の工夫と歯科でのサポートが欠かせません。
まず、自宅でできる対策としては「こまめな水分補給」が基本です。特にカフェインやアルコールの摂取は口の乾きを悪化させるため、水やノンカフェインのお茶を意識的にとるようにしましょう。
また、「唾液腺マッサージ」も有効です。耳下腺・顎下腺・舌下腺の周囲を優しく押しながら円を描くように刺激すると、唾液の分泌が促進されます。
さらに、保湿成分を含むマウスジェルやスプレーを使うのもおすすめです。
歯科医院では、唾液分泌量のチェックや、口腔乾燥を和らげる保湿指導、歯周病の早期治療が受けられます。
「乾燥なんて大したことない」と思わず、違和感を感じた時点で早めに相談することが、歯周病の進行を防ぐ一番の近道です。
更年期の女性にとって、唾液はお口と体の健康を守る“天然のバリア”。今から意識することで、将来の歯ぐきトラブルを大きく減らすことができます。
4. ストレスと睡眠不足――更年期の生活習慣が招く歯ぐきの炎症

・ホルモンバランスの乱れとストレスの関係
更年期に入ると、多くの女性が「なんとなく疲れやすい」「イライラしやすい」といった体と心の変化を感じます。これは、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が急激に減少し、自律神経のバランスが崩れるためです。
このホルモン変化が続くと、ストレスに対する抵抗力が弱まり、免疫機能の働きが低下します。免疫力が落ちると、口の中の細菌バランスも乱れ、歯周病菌が増殖しやすくなるのです。
つまり、更年期特有のストレスやホルモン変動は、心だけでなく「歯ぐき」にも影響を与える重要な要因といえます。
・自律神経の乱れが歯ぐきに及ぼす影響
ストレスや不安が続くと、自律神経のうち「交感神経」が優位になります。交感神経が活発になると、血管が収縮し、歯ぐきへの血流が悪化。結果として、歯肉の新陳代謝が滞り、炎症が起こりやすくなります。
また、自律神経の乱れは唾液の分泌量を減少させ、口の中の乾燥を招きます。乾いた環境は歯周病菌にとって繁殖しやすい環境であり、さらに歯ぐきの防御機能が弱まるため、炎症が長引いてしまうことも。
このように「ストレス → 自律神経の乱れ → 唾液減少 → 炎症悪化」という悪循環が起きやすくなるのが、更年期女性の特徴です。
・生活習慣を整えて“歯ぐきの免疫力”を高める
歯周病の予防・改善には、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。特に、睡眠と食事は免疫力を左右する重要なポイントです。
睡眠不足が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、炎症反応が強く出やすくなります。質のよい睡眠を確保するためには、就寝前のスマホ使用を控え、ぬるめのお風呂で体を温めてリラックスするのがおすすめです。
また、抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノール、鉄分、タンパク質などをしっかり摂ることで、歯ぐきの再生力をサポートできます。
さらに、ストレスを軽減するために軽いウォーキングや深呼吸、趣味の時間を取り入れることも効果的です。
「最近、歯ぐきの腫れや出血が治りにくい」「疲れると口の中が荒れる」という方は、歯科治療と並行して、生活のリズムを整えることが大切です。
歯ぐきの炎症は、心と体のコンディションのバロメーター。心身のケアを意識することで、口の健康も大きく改善されていきます。
5. 「骨粗しょう症」と「歯周病」の関係にも注目を

・更年期に起こりやすい骨密度の低下と歯の関係
更年期を迎える女性に多い疾患のひとつが「骨粗しょう症」です。エストロゲンの減少によって骨の代謝バランスが崩れ、骨密度が低下することで、骨折しやすくなったり姿勢が変化したりします。
実はこの「骨の弱まり」は、全身だけでなくお口の中にも起こります。歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」も骨の一部であるため、骨密度が低下すると歯を支える力が弱まり、歯がぐらつきやすくなります。
その結果、軽度の歯周病でも進行が早まり、歯の動揺や抜け落ちにつながることがあるのです。
「更年期以降、歯が浮くような感覚がある」「噛むと違和感がある」といった症状を感じた場合、歯周病だけでなく骨粗しょう症の影響が関係しているかもしれません。
・骨粗しょう症と歯周病の深い相互関係
骨粗しょう症と歯周病は、互いに影響し合うことがわかっています。
骨密度が低下すると、歯を支える骨がもろくなり、炎症に対する抵抗力が弱まります。そのため、歯周病菌が侵入しやすくなり、炎症が骨にまで広がりやすくなるのです。
一方で、重度の歯周病が続くと、慢性的な炎症によって骨吸収を促進する物質(サイトカイン)が増加し、全身の骨密度にも悪影響を与えることがあると報告されています。
つまり、骨粗しょう症と歯周病は「どちらか一方だけの問題」ではなく、体全体の健康と密接に結びついた疾患といえるのです。
・骨と歯ぐきを守るためにできること
更年期の女性が歯周病を予防・改善するためには、「骨を強く保つこと」が欠かせません。
日常生活の中では、カルシウムやビタミンD、ビタミンKを意識的に摂取することが大切です。これらの栄養素は骨の再生を助け、歯ぐきの健康維持にも役立ちます。
また、軽い運動――特にウォーキングやストレッチなどの“骨に適度な刺激を与える運動”も効果的です。
歯科医院では、レントゲン検査によって歯槽骨の吸収状態を確認できます。骨の状態を早めに把握し、歯周病治療と並行してケアを行うことで、歯を長く健康に保つことが可能になります。
「骨粗しょう症と歯周病、どちらも自分には関係ない」と思わず、今のうちから意識しておくことが、将来の歯と体を守る最大の予防になります。
健康な骨と歯ぐきがそろってこそ、本当の意味での「口腔の健康」が維持できるのです。
6. 更年期世代の歯周病は「痛くないまま進行」することが多い

・自覚症状が出にくいのはなぜ?
歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれるほど、自覚症状が出にくいのが特徴です。特に更年期の女性は、体調変化やホルモンバランスの乱れが重なることで、歯ぐきの異変に気づきにくくなる傾向があります。
たとえば、「少し出血したけど痛くないから大丈夫」「歯がしみるけど年齢のせいかな」と見過ごしてしまうケースは少なくありません。
しかし、痛みがないからといって安心はできません。歯周病は、歯を支える骨がゆっくりと溶けていく病気で、気づいたときには歯がぐらぐらしていたり、抜け落ちてしまったりすることもあるのです。
痛みが出る頃には、すでに中等度〜重度に進行していることが多いため、早期発見がとても重要です。
・「出血しない=健康」とは限らない理由
歯周病の初期段階では、歯ぐきの炎症が軽度で出血もわずかです。進行するにつれて歯周ポケットが深くなり、歯ぐきの内部で炎症が慢性化していきます。
更年期の女性は、エストロゲンの減少により毛細血管がもろくなる一方で、血流そのものは低下していることがあります。そのため、炎症があっても出血しにくいケースが見られます。
つまり、「血が出ないから大丈夫」と思っている間にも、歯周病が静かに進行している可能性があるのです。
また、更年期に起こるドライマウスや免疫力の低下も、症状を感じにくくさせる一因。体が炎症を“鈍く”受け取るため、痛みが出たときにはすでに進行していることも少なくありません。
・早期発見・早期治療が生涯歯を守る鍵
痛みがないまま進む歯周病を防ぐためには、定期的な歯科検診が欠かせません。
歯科医院では、歯周ポケットの深さや歯ぐきの出血、歯の動揺度、レントゲンによる骨吸収の有無をチェックし、早期の段階で治療を行うことができます。
初期のうちにプラークや歯石を除去すれば、炎症は比較的短期間で改善することが多いですが、進行してしまうと治療期間が長くなり、外科的処置が必要になることもあります。
特に更年期の女性は、ホルモン変化によって治癒力が低下しているため、早めの対応が非常に大切です。
「歯ぐきの色が変わった」「口臭が強くなった」「歯のすき間が広がってきた」と感じたら、それは見逃してはいけないサイン。
定期的なチェックと正しいケアで、年齢を重ねても自分の歯で食事を楽しめるようにしていきましょう。
7. 歯周病が全身の健康に影響する――女性が特に注意すべき理由

・歯周病は「口の中だけの病気」ではない
歯周病は細菌による感染症ですが、実はその影響は口の中だけにとどまりません。
歯ぐきで炎症が起こると、血管の中に歯周病菌や炎症性物質(サイトカイン)が入り込み、全身をめぐります。これにより、血管の内壁が傷つきやすくなり、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めることが知られています。
また、慢性的な炎症は免疫バランスにも影響を与え、全身の代謝やホルモンの働きにも悪影響を及ぼす可能性があります。
特に更年期の女性は、ホルモン変化により体の回復力が低下しているため、歯周病による炎症が全身に広がりやすい傾向があるのです。
・女性特有の疾患と歯周病の関係
近年、歯周病と女性の健康との関係が注目されています。
更年期以降に増える「骨粗しょう症」や「動脈硬化」は、どちらも慢性炎症や血管機能の低下が関与しています。歯周病の炎症によって分泌される物質は、これらの疾患を悪化させる要因となることが報告されています。
さらに、糖尿病との関係も見逃せません。歯周病による炎症は血糖コントロールを悪化させることがあり、逆に糖尿病があると歯周病が進行しやすくなるという「悪循環」が生じます。
このように、歯ぐきの炎症は全身の健康状態を左右する大きな要素であり、更年期女性にとっては“生活習慣病の引き金”にもなりかねません。
・「若さ」と「免疫力」を保つために歯周病予防を
歯周病の炎症を抑えることは、実は「老化予防」にもつながります。
慢性的な炎症が体内で続くと、細胞の酸化ストレスが増え、シワやたるみ、肌のくすみなどの老化現象を促進するといわれています。
また、口腔内が清潔で炎症のない状態を維持することで、免疫力の低下を防ぎ、ウイルスや細菌に対する抵抗力も高まります。
「口の中を整える=全身の健康を整える」という意識を持つことが、更年期以降の健康維持には欠かせません。
歯周病のケアは見た目の若々しさだけでなく、心と体の安定にも直結します。
歯ぐきの健康を保つことは、人生の後半をより豊かに、元気に過ごすための大切な一歩なのです。
8. 更年期の女性におすすめの歯周病予防ケア

・定期検診の間隔を短くするメリット
更年期に入ると、ホルモンバランスの変化によりお口の環境が不安定になります。
唾液の分泌量が減ったり、免疫力が低下したりすることで、歯周病菌が増殖しやすくなるため、これまで以上に「定期的な歯科検診」が重要になります。
一般的には半年に1回のペースで検診を受ける方が多いですが、更年期の女性には3〜4か月に一度の短いスパンでのメンテナンスをおすすめします。
歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)や歯周ポケットのチェックをこまめに行うことで、初期の炎症を早期に発見・改善できます。
また、ご自身の磨き残しのクセやブラッシング圧を確認してもらうことで、セルフケアの質も自然と高まります。
・優しく丁寧なブラッシングのコツ
更年期の女性は、歯ぐきがデリケートになりやすい時期です。炎症や出血が気になる場合も、決して「触らない」ではなく、「優しく磨く」ことが大切です。
歯ブラシはやわらかめの毛先を選び、歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てて小刻みに動かします。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうため、ペンを持つように軽く握るのがポイントです。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯ブラシだけでは届かない細菌や食べかすを除去できます。
仕上げにマウスウォッシュや保湿ジェルを使うと、口内が潤い、菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
「しっかり磨く」よりも「丁寧に優しく」が、更年期世代の歯ぐきを守るコツです。
・唾液腺マッサージや保湿ケアでお口を守る
更年期に多いドライマウス対策として、唾液の分泌を促すセルフケアも欠かせません。
耳の下やあごの下を指の腹で優しく押しながら円を描くようにマッサージすると、唾液腺が刺激されて分泌が促進されます。
また、水分をこまめに摂り、口呼吸を避けることも大切です。
加湿器を使って室内の湿度を保つ、マウスジェルやスプレーで口内を潤すなど、日常的なケアを習慣にすると、乾燥による不快感が和らぎます。
歯科医院でも、保湿指導や専用ジェルの提案を受けることができます。自宅ケアと専門的ケアを組み合わせることで、より効果的に口腔環境を整えることができるでしょう。
ホルモン変化による不調を感じる時期だからこそ、少しの工夫でお口の健康を守り、快適に過ごすことが可能です。
9. 歯周病治療で「口の中も体も軽くなる」――患者様の変化

・歯ぐきの炎症が落ち着くと起こる全身の変化
歯周病は口の中の病気と思われがちですが、治療を始めて炎症が落ち着くと、「体まで軽くなった」と感じる方が少なくありません。
歯ぐきの炎症は、体の中で常に小さな火種のように免疫を刺激し続けています。これが慢性的な疲労感や倦怠感、肩こり、肌荒れなどにつながることもあります。
歯周病治療によって炎症を抑えると、体全体の免疫バランスが整い、血流も改善されるため、「体調が良くなった」「顔色が明るくなった」と実感される患者様も多いのです。
お口の健康が、全身の健康と密接に関係していることを実感できる瞬間です。
・「よく噛める」「顔の印象が若返る」という実感
歯周病が進行すると、歯ぐきが下がったり、歯がぐらついたりして、しっかり噛めなくなることがあります。
しかし、治療で炎症を抑え、歯ぐきが引き締まってくると、噛む力が安定し、食事の満足度が大きく変わります。
また、噛む筋肉がしっかり使えるようになることで、フェイスラインが引き締まり、「顔がスッキリした」「笑顔が自然になった」といった見た目の変化を感じる方も。
更年期は代謝が落ち、顔のたるみや口角の下がりが気になりやすい時期ですが、歯ぐきが健康になることで、自然と若々しい印象を取り戻せるのです。
お口の中が整うと、鏡を見るのが楽しくなる――それが、歯周病治療の大きな魅力のひとつです。
・心身のバランスを取り戻すための歯科サポート
更年期の女性にとって、歯周病治療は単なる「お口のメンテナンス」ではなく、体と心を整える重要なケアです。
治療を通して自分の体と向き合い、正しいセルフケアの習慣が身につくことで、生活全体のリズムが整っていきます。
また、歯科医院では歯ぐきの炎症を抑える治療だけでなく、ドライマウスや口臭の改善、噛み合わせのバランス調整など、総合的なサポートを受けることができます。
「口の中が整うと、気分まで明るくなる」というのは、多くの女性が実感している変化です。
歯周病の改善は、健康だけでなく美容やメンタルにも良い影響をもたらします。
「最近なんとなく元気が出ない」「笑うことが減った」と感じたときこそ、歯科でのケアが“リセット”のきっかけになるかもしれません。
10. 更年期以降も健康な歯ぐきを守るために――今からできること

・40代・50代から始める「口腔ケア習慣」の見直し
更年期を迎える40代・50代の女性にとって、歯ぐきの健康を保つことは「これからの人生の質」を左右する大切な要素です。
ホルモンバランスの変化や唾液の減少、骨密度の低下など、年齢とともにお口の環境は少しずつ変化していきます。
しかし、その変化に気づき、今のうちからケアを始めれば、歯ぐきの老化は防ぐことができます。
毎日の歯磨きを「義務」ではなく「自分への投資」と捉え、歯間ブラシやフロスを使って汚れをしっかり取り除くこと、定期的に歯科でプロケアを受けることが、長い目で見れば一番の近道です。
「もう年だから」と諦めるのではなく、今の自分の口を正しく理解し、ケアの質を高めていくことが大切です。
・歯科医院でできる「予防的治療」とは
歯周病は「治す」だけでなく、「予防する」ことが可能な病気です。
歯科医院では、定期的なクリーニングに加えて、歯周ポケットの測定やレントゲンによる骨の状態確認を行います。炎症が軽度なうちに適切な処置を行うことで、将来的な歯の喪失を防ぐことができます。
また、歯科衛生士によるブラッシング指導や、ドライマウスに対する保湿ケア指導なども、患者様一人ひとりに合わせて行われます。
特に更年期の女性は、ホルモン変化により治癒力や免疫力が低下しているため、定期的にプロの目でチェックしてもらうことが、安心して過ごすためのサポートになります。
自分に合ったケアを続けることで、年齢を重ねても健康な歯ぐきを維持できるのです。
・不安がある方は、まず相談だけでも
「歯ぐきの腫れが気になる」「最近口臭が強い気がする」「歯の間にすき間ができた」――そう感じたときは、すでに歯周病が静かに進行しているサインかもしれません。
ですが、怖がる必要はありません。歯周病は早期発見・早期治療で改善できる病気です。
特に更年期以降は、生活リズムや体調の変化で口の状態も変わりやすいため、「異変かな?」と思ったタイミングで歯科に相談することがとても大切です。
歯科医院では、痛みが出る前に問題を見つけ、無理のないペースで治療や予防ケアを進めていきます。
お口の健康を守ることは、体全体を整えることにもつながります。
更年期をきっかけに、「これからの自分の健康」を見直してみませんか?
歯ぐきのケアを始めるその一歩が、10年後・20年後の笑顔を守る力になります。
東京都品川区YDC精密歯周病インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F
『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18
*監修者
*経歴
1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。
2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。
2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。
*所属
・ICOI国際インプラント学会 指導医
・ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター
・ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本顎顔面インプラント学会 会員
・国際審美学会 会員
・日本歯科審美学会 会員
・日本アンチエイジング歯科学会 会員
・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)
・CID Club (Center of Implant Dentistry)所属
・国際歯周内科研究会 所属
・5-D JAPAN 所属
・デンタルコンセプト21 所属
・インディアナ大学歯学部 客員 講師
・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員
・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー
・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒
・USC University of Southern California)センチュリー・クラブ
・プレミアム・メンバー
※詳しいプロフィールはこちらより
 
        		