インプラントは永遠に使える?|インプラント治療「老後」のメリット・デメリットを解説

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

インプラントは永遠に使える?|インプラント治療「老後」のメリット・デメリットを解説

近頃は健康寿命が延びているため、趣味や娯楽など、老後の生活を楽しむ方々がたくさんいらっしゃいます。

元気な年配層が増えているとはいえ、やはり身体的な変化は否めないもので、歯もまた然りです。

年齢を重ねていくと虫歯や歯周病などのリスクが高まり、老後になるにつれて歯が抜けて失う機会も増えるでしょう。

歯が抜けた場合の治療法にはいくつかの方法があります。

この記事では、老後の生活においてインプラントを選択した場合のメリットやデメリットなどを解説しますので、ぜひご確認ください。

 

老後に歯が抜けた場合の治療法


歯を失った際の治療法の選択肢には、主に「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」があります。

それぞれの治療法について解説します。

 

入れ歯

入れ歯は、数本の歯を失ったしまった部分に人工の歯を連結させて作成したものです。

部分入れ歯の場合は両端に金属を付け、健康な両隣の歯に金具を固定して装着します。

主に3本以上の歯を失った場合に適した治療法です。

すべての歯が無いケースでは、総入れ歯を装着します。

入れ歯は取り外しが可能なため、清掃しやすいのがメリットです。

ただし部分入れ歯の場合は、健康な両隣の歯に負担をかけることになるというデメリットがあります。

入れ歯はバリエーションが多く、さまざまな症状に合わせての製作が可能です。

保険適用の入れ歯を選択すれば、比較的安価に治療することもできます。

 

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って、「失った歯の部分の人工の歯と、支える両隣の歯に装着する被せものを連結させたもの」です。

失った歯が1、2本の場合に行われます。

ブリッジは取り外しができず、歯ぐきとの隙間に食べカスなどの汚れがつまりやすいので、虫歯や歯周病にならないようお手入れに注意が必要です。

また、削った両隣の歯には負担がかかるため、寿命が縮まってしまいます。

ブリッジを入れる部位によっては保険適用になるため、比較的治療費が安価です。

 

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分に人工の歯根を埋めて、その上に人工の歯の被せものを取り付ける治療法です。

ブリッジや入れ歯と比較すると、インプラントが一番本来の歯に近い構造だといえます。

また、失った歯の部分のみに施術を行うので両隣の歯にはほぼ負担がかかりません。

そこでインプラントはおすすめの治療法です。

 

インプラントと入れ歯の違いについて

入れ歯とインプラントの比較について、もう少しくわしく解説します。

寿命と保険適用の有無について見ていきましょう。

 

寿命

入れ歯の寿命はだいたい7年~8年です。

一方、インプラントは約10年~15年と長い傾向にあります。

ただし寿命はメンテナンス次第です。

どちらも歯の汚れを綺麗に取り除き、歯周病などのトラブルを予防する必要があります。

 

保険適用

入れ歯は保険適用されますが、インプラントは保険適用外なので自費になります。

そのため比較するとインプラントの費用は入れ歯よりも高額です。

 

老後にインプラント治療を受ける前に知っておくべきこと

インプラント 老後

老後にインプラントを考える人も多いでしょう。

インプラント治療を検討し始めた際に知っておくと良いことについて解説します。

 

インプラントの特性を知る

インプラントの治療を決断する前に、まずはインプラントの特性について知っておきましょう。

なぜなら、インプラントは治療をしたら終わりということではなく、メンテナンスが非常に重要だからです。

後悔しないためにも、治療期間や費用、入れ歯など他の治療法と比較した場合のメリット、デメリットともに把握した上で選択しましょう。

 

信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラント治療を安全に行うには、信頼できる歯科医院を選ぶのが大切です。

手術を行う前の段階で検査をしっかり行ってくれる歯科医院がよいでしょう。

インプラントは誰でも受けられる治療方法ではありません。

手術前の検査にてインプラント治療ができるかどうかを慎重に見極める必要があるのです。

歯科用CTは、レントゲン画像では分からない骨の状態や神経の状態まで把握できます。

歯科用CTを使ってしっかり調べてくれる歯科医院なら信頼できるでしょう。

 

持病がある場合は主治医に相談してみる

老後にインプラントを選ぶにあたって、持病があるなら主治医に相談してみるのも大切です。

インプラント治療は外科手術になるため、持病がある場合は治療リスクが高まる可能性が考えらえます。

持病の種類によってはインプラント治療が受けられない場合もありますので、インプラント治療を始める前に主治医に相談してみてください。

また、インプラント治療を受ける場合、持病の主治医と歯科医とで連携が必要になる場合もあります。

 

老後にインプラント治療を選択するメリット

インプラント 老後

インプラント治療を必要とされている高齢者の方も多くいらっしゃいます。

なぜなら歯が抜ける機会は、高齢になってからの方が多くなるからです。

老後にインプラント治療を選択するメリットを解説します。

 

しっかりと噛むことができる

老後にインプラントを選択すると、しっかり噛むことができるのがメリットです。

抜けた歯をそのままにしていると、嚙む力(咀嚼能力)が落ちてしまいます。

咀嚼能力が落ちてしまうと、消化が十分にできないので栄養が十分に摂れなくなったり、免疫力が落ちて疾患にかかりやすくなったりすることがわかっています。

特に最も失いやすい奥歯は、食物をすりつぶすのに欠かせない歯です。

インプラント治療で失った歯を補って咀嚼能力を回復させることは、身体の機能を維持することにもつながります。

 

認知症リスクを軽減できる

認知症リスクを軽減できるのも、インプラントを選ぶメリットです。

老化によりリスクが高まるといわれている「認知症」ですが、厚生労働省の調査によると、咀嚼機能の低下と認知症の発症に関連性があることが分かっています。

その調査によると、歯が20本以上残っている人に比べて、それより少ない人は認知症になるリスクが1.9倍だと報告されているのです。

インプラントによって天然歯に近い形で失った歯を補うと咀嚼能力を改善できるため、認知症のリスクの軽減に影響を与えられると考えられます。

 

若々しい外見を保てる

若々しい外見を保てるのもインプラントのメリットだと考えられます。

インプラント治療では、セラミック素材の人工歯を被せものとして装着することが多いです。

歯に合わせて色味を細かく調整することもできるので、見た目がとても自然に仕上がります。

歯がしっかり並んでいると、口元の膨らみや見た目が若々しくなるでしょう。

入れ歯であっても歯並びは作れると思われるかもしれません。

しかし金属を健康な歯に引っ掛けたり、樹脂の素材が目立ってしまったりする可能性があります。

自然で若々しい見た目にしたいのなら、インプラント治療の方が勝っているのでおすすめです。

 

健康な歯を傷つけずにすむ

健康な歯を傷つけずにすむのも、インプラントの大きなメリットです。

インプラント以外の失った歯を補う治療法では、健康な歯を削ったり、金具を引っ掛けたりする必要があります。

しかしインプラントなら健康な歯を犠牲にする必要がありません。

周りの健康な歯を傷つけることなく失った歯を補えます。

 

会話がしやすい

インプラントには会話がしやすいというメリットもあります。

歯を失うと話しづらくなり、話をうまく伝えられなくなることも増えるでしょう。

入れ歯を装着することで会話のしづらさは多少は改善されるはずです。

しかし話している最中にズレたり、外れたりといった心配があります。

また入れ歯は慣れるまで発話がしづらいのがデメリットです。

インプラントは天然の歯と同じようにアゴの骨に固定されるため、施術の後は歯が安定します。

話のしづらさから人間関係が希薄になってしまうことを防ぐ効果にも期待できるでしょう。

 

骨吸収を防げる

インプラント治療をすると、咀嚼の際に天然の歯と同じような刺激を与えることができるため、「骨吸収」を防ぐことができるのもメリットです。

歯を支える「歯槽骨」が溶けてしまうのが「骨吸収」です。

入れ歯やブリッジでは、失った歯があった部位に刺激を与えることができません。

そのため骨吸収されるといわれています。

しかしインプラントなら骨吸収の予防が可能です。

 

老後にインプラント治療を選択するデメリット

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後悔しないよう慎重にインプラント治療を受けるか判断するためには、デメリットの把握も重要です。

メリットだけを見て決めないよう注意しましょう。

インプラント治療を選択する場合のデメリットについて解説します。

 

費用と時間がかかる

インプラント治療は、基本的に保険適用外の自由診療で費用がかかるのがデメリットです。

歯科医院によって費用が異なりますが、かかる費用はすべて自己負担で、1本あたり約30~50万円ほどが相場となっています。

また、インプラントの治療にはある程度の長い期間がかかるのもデメリットです。

埋め込んだインプラントが骨と結合するまで待たなくてはなりません。

個人差はあるものの、約3~6か月ほどの期間を要します。

保険診療で比較的安く短期間でく装着できる入れ歯とは、非常に対照的といえるでしょう。

 

外科的処置の身体的負担がある

インプラント治療を行うためには、人工の歯根をアゴの骨に埋め込むために外科的な処置を行う必要があるのもデメリットです。

入院は必要ありませんが、親不知の抜歯と同程度の身体的な負担があります。

身体的な負担は感覚的なもので個人差もあるでしょう。

しかし持病がある場合には服薬等の問題も合わさって、手術が難しくなることも考えられます。

手術以降もメンテナンスでの通院が必要になるので、定期的に通える体力がなければ、インプラント治療を選択するのは難しいかもしれません。

 

メンテナンスに手間がかかる

メンテナンスに手間がかかるのもインプラントのデメリットだといえるでしょう。

インプラントは、汚れをきれいに取り除いていないと「インプラント周辺炎」といった症状になりやすいです。

しかし、インプラント以外の治療法であっても、口腔内を清潔に保つための清掃は欠かせません。

たとえインプラントをしていなくてもメンテナンスや清掃を行わなければ、虫歯や歯周病になってしまいます。

 

骨の状態によっては治療が受けられない

インプラントは、骨の状態によっては受けられない場合があるため、誰でも受けられる治療法ではないのもデメリットです。

歯周病が進行し、歯茎だけにとどまらず骨にまで影響を与えてしまい、アゴの骨がどんどん痩せていったりするとインプラントを埋め込むことが難しいので治療が受けられません。

元々あった歯を支えきれないほどに骨が痩せてしまうなど、骨粗しょう症の方も治療できないと考えてください。

歯科医院によっては足りない骨を作る「骨造成」という手術を行ってくれる医院もありますが、どこの病院でも受けられる治療ではありません。

 

老後のインプラント治療において不安な点

インプラント 老後

老後にインプラント治療を受けるにあたって、不安に感じる声が多いものについてお答えします。

ぜひ内容を確認して不安の解消に役立ててください。

 

寝たきりなどメンテナンスの通院ができなくなった場合

寝たきりの状態になり通院ができなくなってしまうとインプラントのメンテナンスは難しくなります。

しかしインプラントのお手入れだけに留まらず、口腔内全般のお手入れがご自身では難しい状況になっているでしょう。

「お手入れ」で考えると「総入れ歯」が簡単にお手入れはできる方法になります。

とはいえ先のことを心配しすぎても解決にはなりません。

まずは寝たきりにならないように健康維持に努めていきましょう。

 

お手入れを続けていけるかが心配な場合

インプラントのお手入れが特別難しいように感じて不安になる方もいるかもしれません。

しかし、インプラントの治療を進めていく際に、歯科衛生士からブラッシング指導を受けてメンテンナンス方法を知ることができます。

インプラントのお手入れは特別難しいものではなく、実はご自身の歯のメンテナンスと大差はないので問題ないでしょう。

歯ブラシの正しいあて方や歯間ブラシの効果的な使い方などを教えてもらえれば、十分に口腔内をお手入れできるようになります。

 

まずは相談してみよう

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年齢を重ねると残念ながら、歯を失う機会が出てくるでしょう。

60歳を過ぎると約80%の人が少なくとも1本以上の永久歯を失い、年々その数は増えていきます。

インプラントは天然の歯に近い形で失った歯を補うことができる治療法です。

本物の歯のようにしっかり噛むことができるので、インプラントは年々注目と人気を集めています。

しかし興味はあるけれどなかなか治療までは踏み込めないという方もいることでしょう。

人気があるのと、ご自身に合う治療法であるかは別になりますので、メリット・デメリットを理解した上で後悔のないように判断することが大切です。

まずは「かかりつけ医に相談」してみてはいかがでしょうか。

 

監修:理事長/齋藤和重