何もしていないのに歯茎からの出血!もしかして歯周病?

1. 「なぜか歯茎から血が…」放っておいて大丈夫?

・朝の歯磨きで気づく“異変”の正体

「今朝、歯磨きしていたら、歯ブラシに血がついていた…」「歯ぐきが赤くて少し腫れてる気がする」——そんな経験はありませんか?
何もしていないのに歯茎から出血があると、驚いたり不安になったりしますが、「寝不足かな」「強く磨きすぎたかも」とそのまま放置してしまう方が多いのも現実です。

しかし、その出血は、あなたの体が発している明確な「異常のサイン」かもしれません。特に、歯茎からの出血が繰り返し起こるようであれば、歯周病の初期症状である可能性が高いと考えられます。

・出血は身体が発しているサインかもしれません

健康な歯ぐきは、歯ブラシやフロスを当てても出血しません。むしろ「ちょっと当たっただけで血が出る」という状態は、歯ぐきに炎症が起きている=免疫が異常を感知している状態です。
つまり、何もしていないのに出血してしまうのは、口の中で慢性的な炎症が続いている可能性を示しています。

その主な原因となるのが「歯周病」です。歯と歯ぐきの間にたまったプラーク(歯垢)や歯石の中に含まれる細菌が、歯ぐきの組織を刺激し、炎症を引き起こします。その結果、毛細血管が拡張し、少しの刺激で出血しやすくなってしまうのです。

・自覚症状が少ないからこそ見逃されやすい

歯周病の恐ろしいところは、初期の段階ではほとんど痛みがないという点にあります。「痛くないから大丈夫」「しみるわけじゃないし、様子を見よう」と判断してしまうのも無理はありません。
しかし、初期の歯周病(いわゆる歯肉炎)を放置すると、やがて炎症が歯を支える骨にまで広がり、歯槽骨が少しずつ溶けていく「歯周炎」に進行します。ここまでくると、歯がぐらぐらしたり、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。

実際に、「気づいたら歯が抜けそうになっていた」という方の多くが、「最初は歯ぐきからの出血だけだった」と話されます。
つまり、歯茎からの出血は“軽視すべきではない初期サイン”なのです。

歯ぐきからの出血に気づいたときこそ、歯周病の進行を止めるチャンスです。
痛みがないからといって油断せず、「おかしいな?」と思った段階で歯科医院を受診することで、短期間・低負担の治療で健康な状態に戻せる可能性がぐっと高まります。

「何もしてないのに出血した」——その一滴のサインを、どうか見逃さないでください。

2. 健康な歯茎は出血しないって本当?

・正常な歯茎はピンク色で引き締まっている

歯ぐきが赤く腫れていたり、ぶよぶよしていたり、歯磨きのたびに出血していたり…。そんな状態が「当たり前」になっていませんか?
本来、健康な歯ぐきは淡いピンク色をしており、引き締まっていてハリがあるのが特徴です。歯ブラシでこすっても血がにじむことはなく、触っても痛みはありません。

つまり、「何気なく磨いただけで血が出る」「フロスを通すと必ず出血する」という状態は、“歯ぐきに何らかの異常が起きている”という身体からのサインだと受け止めるべきです。

・出血は「炎症」があるサインと考えるべき

歯ぐきから出血するということは、歯肉の中で毛細血管が拡張し、炎症が起きているという証拠です。これは主に、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に溜まったプラーク(細菌のかたまり)が原因で、免疫反応によって腫れや出血が生じています。

炎症が続くと、歯周ポケットが深くなり、細菌がさらに奥へと侵入。やがて歯を支える骨にまでダメージが及ぶと、歯周病は静かに進行していきます。
この過程ではほとんど痛みを感じないため、「ただの出血」と思って放置してしまい、気づいたときには重度の歯周病になっていたというケースも少なくありません。

・放置すると悪化してしまうのが歯周病の怖さ

歯周病の初期症状は、出血・軽度の腫れ・違和感など、ごくわずかな変化から始まります。それだけに、「まだ様子を見よう」と思いがちです。しかし、それが落とし穴。
歯周病は、進行すればするほど治療に時間がかかり、歯を残すことが難しくなる病気です。

初期段階(歯肉炎)であれば、歯石除去や正しいブラッシングで改善することも可能ですが、歯周炎に進行すると、歯ぐきの奥深くや歯の根にまで細菌が入り込み、歯槽骨(歯を支える骨)が少しずつ溶けてしまうのです。

このような状態になると、歯がグラグラ動き始め、噛みにくさを感じたり、やがては抜歯が必要になるケースも。出血という“小さなサイン”を見逃さず、早めに歯科医院を受診することが、ご自身の歯を守る最大の近道です。

「歯ぐきの出血は、健康な歯ぐきには起こらない」
このシンプルな事実を知っておくだけで、歯周病の早期発見・早期治療の意識が高まります。
たとえ症状が軽くても、「なんかおかしいな」と感じたら、それは行動すべきサインかもしれません。
ご自身の歯ぐきの状態、今一度チェックしてみませんか?

3. 歯磨きのたびに出血…その原因は「歯周病」かも

・歯周病は“国民病”とも言われるほど身近な疾患

「歯磨きのたびに出血する」「歯ぐきがヒリヒリするような感覚がある」——そんな症状が続いているのなら、歯周病を疑ってみる必要があります。
歯周病は、日本人の成人の約8割が何らかの症状を抱えていると言われるほど、非常に身近な疾患です。にもかかわらず、自覚症状に乏しいため、多くの方が“気づかぬうちに進行”させてしまっているのが現実です。

特に、「歯磨きをしたときに毎回出血する」という症状は、歯周病の代表的な初期サイン。もしあなたが同じような症状を感じているなら、それは決して“よくあること”ではなく、炎症が静かに進行している可能性があります。

・プラークや歯石が原因で歯茎に炎症が起こる

歯周病の主な原因は、歯の表面や歯と歯ぐきの隙間に溜まったプラーク(歯垢)や歯石です。これらは細菌の塊であり、時間が経つにつれて歯ぐきに炎症を引き起こします。
炎症が起きると、歯ぐきの血管が拡張して傷つきやすくなり、歯ブラシやフロスなどのわずかな刺激で出血が起こるようになります。

さらに、炎症が続くことで、歯ぐきが腫れたり赤くなったり、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)が深くなったりと、口の中の環境が大きく変化していきます。これがいわゆる「歯肉炎」から「歯周炎」へと移行する段階です。

初期の段階であれば、適切なクリーニングとセルフケアの改善で改善できますが、進行すると外科的な処置が必要になることもあります。出血はその“入り口”ともいえる重要なサインです。

・初期は無症状でも出血が“唯一のヒント”になる

歯周病の怖いところは、痛みが出にくいまま静かに進行するという点にあります。虫歯のように「ズキズキする」「冷たいものがしみる」といった明確な痛みがないため、多くの人が「まだ大丈夫」と判断してしまいがちです。

その中で、唯一現れやすいのが歯ぐきからの出血です。毎日の歯磨きの中で「ん?また血がついた」と気づいたら、それは歯周病が始まっているサインかもしれません。
特に、出血が1週間以上続く、腫れや口臭も感じる、といった場合は受診のタイミング。重症化する前に治療を始めることで、歯を守ることができます。

早期の歯周病であれば、歯石除去と正しいセルフケアだけで改善することができるケースも少なくありません。
「まだ痛くないから様子を見よう」ではなく、「出血している今だからこそすぐ受診」が、未来の口腔環境を左右します。

歯磨きのたびの出血は、あなたの歯ぐきからの“助けて”のサイン。
一時的なものではなく、繰り返し出ているなら、それは口腔内で炎症が慢性化している証拠かもしれません。
静かに進行する歯周病を早期で止めるために、気になった今こそ、歯科医院でのチェックを受けてみてはいかがでしょうか。

4. 「強く磨きすぎたから出血した」は危険な勘違い

・出血は磨き方のせいではなく歯茎の異常かも

「血が出たけど、きっと強く磨きすぎただけだろう」——そう思ってそのままにしていませんか?
確かに、過度に力を入れてゴシゴシと磨けば、歯ぐきが傷ついて出血することはあります。ですが、やさしく磨いているにもかかわらず出血する、または何度も繰り返して出血するという場合には、それは単なる磨き方の問題ではなく、歯ぐき自体が炎症を起こしている可能性が非常に高いと考えられます。

その原因の大半を占めるのが歯周病です。歯周病になると、歯ぐきの組織が細菌によってダメージを受け、血管が拡張し、わずかな刺激でも出血しやすい状態になります。このような状態では、力加減に関係なく、歯ブラシを当てるだけで血がにじんでしまうことも少なくありません。

・歯ブラシを当てただけで出血するなら要注意

健康な歯ぐきは、適切な圧でブラッシングしても簡単には出血しないようになっています。
それなのに出血してしまう場合、歯ぐきの中で慢性的な炎症が起きている証拠であり、放置してしまうと炎症が進行し、歯を支える骨にまで影響を及ぼすリスクがあります。

また、「最近、柔らかい歯ブラシに変えたのに出血が続く」「力加減を意識して磨いても血が出る」——このような場合も、磨き方ではなく、歯ぐき側の問題を疑う必要があります。

とくに、朝だけでなく夜も出血する、食事中に違和感がある、歯ぐきがムズムズするといった症状がある場合には、歯周病が進行している可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。

・痛みがないからといって油断しないことが大切

歯周病の厄介な点は、症状が進んでも痛みがほとんど出ないということです。
「血は出るけど、痛くないから様子を見よう」「歯医者に行くほどではない」と思ってしまいがちですが、その間にも歯周病は静かに進行していきます。

出血を「磨きすぎのせい」と決めつけてしまうと、炎症の存在を見逃してしまう可能性があります。特に30代以降の方は、加齢とともに歯周病のリスクが高まるため、より慎重な自己観察が求められます。

また、自己流のブラッシングや力まかせの磨き方が逆に歯ぐきを傷つけ、歯肉退縮(歯ぐきが下がる現象)を引き起こすこともあります。
出血があるときこそ、歯科医院で正しいブラッシング方法を指導してもらうことが、口腔環境の改善につながります。

「強く磨きすぎたから」という思い込みが、歯周病の早期発見のチャンスを逃してしまうかもしれません。
一度出血した歯ぐきを「正常な状態」に戻すには、歯科での適切なケアと日々のセルフケアの見直しが不可欠です。
何度も出血を繰り返しているなら、それは磨き方のせいではなく「歯ぐきからのSOS」かもしれません。どうか、そのサインを見逃さないでください。

5. 出血だけじゃない!歯周病が進むと起きる“他の症状”

・歯ぐきの腫れ・赤み・ムズムズ感が出てくる

「歯茎から血が出るだけなら、大したことない」と思っていませんか?
実は歯周病は、出血以外にもさまざまな症状を引き起こします。中でも初期によく見られるのが、歯ぐきの腫れ・赤み・ムズムズするような違和感です。

健康な歯ぐきは淡いピンク色で、引き締まった質感があります。しかし歯周病が始まると、プラークに含まれる細菌が歯ぐきに炎症を起こし、ぷくっと腫れたようなぶよぶよした状態になります。
このとき、見た目に赤く変色していたり、何となくムズムズする・かゆいような感覚が出てきたりする方も少なくありません。

これらの症状は痛みがほとんどないため、つい「様子見」で済ませてしまいがちです。しかし、こうした小さな違和感こそが“進行のサイン”であることを、ぜひ知っておいてください。

・口臭が強くなる・歯が長く見えるなどの変化

歯周病が進むと、口臭の強まりを感じることもあります。これは、歯周ポケット内で増殖した細菌が出すガスが原因。どんなに丁寧に歯を磨いても、深いポケットの奥まではセルフケアでは届かず、においの元が残ってしまいます。

また、歯ぐきの炎症が長引くと、歯ぐきが徐々に退縮(後退)してきます。その結果、「歯が長く見える」「歯の根元が見えてきた」と感じる方も。
これは、歯を支える歯槽骨が失われている可能性があり、すでに歯周病が中等度〜重度に進行しているサインかもしれません。

この段階になると、歯のぐらつきや噛みにくさを感じることもあります。
「なんとなく違和感がある」「歯の見た目が変わった」と思ったら、見過ごさず、歯科でのチェックを受けることが大切です。

・歯がグラグラしてきたら、すでに重度の可能性も

歯周病がさらに進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が大きく溶かされてしまい、歯がグラグラと動くようになります。この段階では、歯ぐきだけでなく歯そのものが失われるリスクが出てくるのです。

「グラつく歯=抜歯」というイメージがあるかもしれませんが、早めの治療で歯を残せるケースもあります。歯周組織の再生を促す治療や、歯周外科処置を組み合わせることで、歯の保存が可能な場合もあります。

だからこそ、症状が軽いうちに気づくことが非常に重要です。
出血は“スタートのサイン”、腫れや口臭は“進行のサイン”、歯のグラつきは“危険信号”——このように段階的に歯周病は進行します。
ひとつでも思い当たる症状があれば、迷わず歯科医院を受診しましょう。

「出血しているだけ」と思っていたら、実は他にも異変が始まっているかもしれません。
歯ぐきの腫れ・赤み・口臭・歯の見た目の変化——どれも歯周病が“今進んでいる”ことを示すサインです。
大切な歯を失わないためにも、小さな変化にいち早く気づき、早期治療を受けることが何よりの近道です。

6. 歯医者に行くべきタイミングはいつ?

・1週間以上続く出血は“自然なこと”ではない

「ちょっと出血したけど、すぐ止まったから大丈夫」「何日かすれば治るかも」——そう考えて様子を見る方は少なくありません。
しかし、歯ぐきからの出血が1週間以上続いている場合、それは“自然な状態”ではなく、歯周病が始まっているサインと受け止めるべきです。

特に、「磨くたびに出血する」「寝ている間にも出血しているようだ」「口をゆすぐと赤く濁る」といった場合は、炎症が慢性化している可能性が高く、放置すればどんどん進行してしまいます。

歯周病は痛みが出にくいため、「まだ様子見でいいかな」と判断しがちですが、出血がある時点ですでに歯ぐきの組織が細菌に攻撃されていることが多く、早期の処置が必要です。

・放置期間が長くなると治療も長期化しがち

歯周病の進行は人によって異なりますが、出血を「大したことない」と思って半年〜1年と放置してしまうと、歯を支える骨が失われてしまうこともあります。
骨は一度吸収されると自然には戻らないため、再生療法などの外科的治療が必要になるケースも出てきます。

逆に、初期のうちに受診すれば、数回のクリーニングとセルフケアの見直しだけで改善することも多く、費用・期間・身体的負担を大きく抑えることができます。

つまり、出血に気づいた“今この瞬間”が、治療効果もコストパフォーマンスも最大化できるベストタイミングなのです。

・少しの異変こそ“早期発見”の最大のチャンス

歯科医院に行く理由として「歯が痛い」「詰め物が取れた」などは多くの方が挙げますが、「出血しているから」だけで受診される方は少ないのが現状です。
しかし、出血は「はじまりのサイン」であり、この時点での来院こそが、最もスムーズで負担の少ない歯周病治療につながります。

また、出血の原因が必ずしも歯周病とは限らず、他の全身疾患やホルモンバランスの乱れなどが関係している場合もあります。
歯科医院では、レントゲンや歯周ポケットの測定、口腔内の精密な視診を行い、その出血が何によるものかを正しく診断します。

歯ぐきの状態を可視化することで、「自分の口の中ってこんな状態だったのか」と気づかれる方も多く、歯に対する意識が変わるきっかけにもなります。

「出血が気になるけど、歯医者に行くほどじゃないかも」
そんなふうに感じているとしたら、まさにそれが“行くべきタイミング”です。
症状が軽いうちに受診すれば、痛みもなく、短期間の処置で改善が見込めます。
歯ぐきの小さな変化に気づいた今こそ、未来の歯を守る一歩を踏み出してみませんか?

7. 歯周病の検査ってどんなことをするの?

・歯周ポケットの測定とレントゲンで状態を把握

「歯ぐきから血が出るし、歯周病かもしれない。でも、歯医者に行ったらどんな検査をされるんだろう…」
そう不安に思って受診をためらっていませんか?
歯周病の検査は簡単で、ほとんど痛みを伴わないものが中心です。時間もそれほどかかりません。

まず最初に行うのが、歯周ポケットの測定です。歯と歯ぐきの隙間(ポケット)に細い器具(プローブ)を軽く挿し込み、炎症の深さ・出血の有無・歯ぐきの状態を記録します。
正常な深さは1〜3mm程度。それより深ければ、歯周病が進行している可能性があると判断されます。

また、歯の根や骨の状態を確認するためのレントゲン撮影も行います。これにより、歯槽骨(歯を支える骨)がどれだけ残っているか、歯の根の先に異常がないかを立体的に確認することができます。

・出血の原因が歯周病か、他の疾患かを見極める

歯ぐきからの出血は、たしかに歯周病の代表的なサインですが、必ずしも全てが歯周病とは限りません。
たとえば、ホルモンバランスの変化(思春期・妊娠中など)や、血液疾患、服用中の薬の影響によって出血しやすくなるケースもあります。

歯科医院では、口腔内だけでなく全身の健康状態や生活習慣も丁寧にヒアリングし、必要に応じて医科と連携することもあります。
「歯ぐきの出血=歯周病」と決めつけずに、根本的な原因を明確にすることが“本当の治療”の第一歩です。

このように、検査は単なるチェックではなく、あなたの口腔内の“現状把握”に加え、未来のトラブルを予防するための重要なステップでもあるのです。

・痛みを伴わないシンプルな検査が主流

歯科の検査というと、「痛いのでは?」「器具を入れられて怖そう…」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、歯周病の検査はシンプルで低侵襲。プローブはとても細く、チクっとする程度の刺激しか感じないことがほとんどです。

レントゲンもデジタル化が進み、放射線量はごくわずか。数分で済む簡単な検査なので、お体への負担もありません。
また、歯科衛生士やドクターが検査結果をその場でわかりやすく説明してくれるため、自分の口の中の状態を“見える化”して理解できます。

多くの患者さまが、「もっと早く来ておけばよかった」「思ったより全然怖くなかった」とおっしゃいます。
実際に検査を受けてみることで、不安が安心に変わるかもしれません。

歯ぐきからの出血は、口が発する大切なサイン。
その原因を正確に知ることが、適切な治療と予防につながります。
「検査が怖い」「大げさかも」と感じている方こそ、ぜひ一度、歯周病検査を受けてみてください。
あなたの歯を守る第一歩は、意外と“静かに、優しく”始まるのです。

8. 歯周病は治る?進行していたらどうなるの?

・軽度〜中等度の歯周病なら改善は十分可能

「歯ぐきから出血しているけど、もう手遅れなんじゃないか…」
そんな不安を抱えている方も少なくありません。けれどご安心ください。歯周病は進行度に応じて、治療と予防によって十分に改善が可能な病気です。

特に、歯ぐきの腫れや出血だけが見られる軽度〜中等度の段階であれば、スケーリング(歯石除去)や正しいブラッシング指導、生活習慣の見直しなどで症状が落ち着くことがほとんどです。
炎症が治まれば、出血も止まり、健康な歯ぐきの状態へと戻すことが可能です。

この段階で受診すれば、比較的短期間・低負担で済むため、「ちょっと気になる」と思ったときが、まさにベストな治療タイミングといえます。

・重度に進行していても、治療で悪化を止められる

一方、歯周病が進行して歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されている状態になると、治療は少し複雑になります。
この場合、スケーリングだけでは不十分なため、ルートプレーニング(歯の根の清掃)や歯周外科治療が検討されます。

さらに、重度の症例では、歯周組織再生療法といった先進的な治療を取り入れることで、失われた骨や組織の回復を目指すことも可能です。
近年では、再生療法の技術も進歩しており、「抜歯しかない」と思われていた歯でも、保存できる可能性が広がっています。

つまり、たとえ歯周病が進行していたとしても、諦めずに治療を始めることで、進行を止め、歯を守る選択肢があるのです。

・放置すれば“歯が抜ける”という最悪の結末も

歯周病を治療せずに放置した場合、最も深刻な結果は歯の脱落です。
炎症が長く続くことで歯を支える骨がどんどん失われ、最後には歯がグラグラと動き、抜け落ちてしまうケースもあります。

そしてこの状態になって初めて「もっと早く治療しておけばよかった」と後悔される方も多くいらっしゃいます。
また、1本の歯を失うことで隣の歯にも影響が出たり、噛み合わせが崩れたりと、全体の口腔環境が一気に悪化することもあります。

だからこそ、「治るかな?」と迷っている今こそが行動のチャンスです。
出血や違和感といった“初期症状”の段階で受診することで、治療の選択肢は大きく広がります。

歯周病は、早期に気づけば“治る”可能性が十分にある病気です。
進行していたとしても、悪化を止め、歯を残すことを目指す治療法は確立されています。
どんな段階であっても、「今からでも遅くない」。それが、歯周病治療に共通する希望のメッセージです。
ご自身の歯と歯ぐきを守るために、まずは一度、状態を確認するところから始めてみませんか?

9. 歯周病の治療と予防のポイントは“日々の習慣”

・プロケア(スケーリング)とセルフケアの両立がカギ

歯ぐきからの出血に気づき、歯科医院で「歯周病ですね」と診断されたとき、多くの方が「もう治らないのでは?」「どうすればいいの?」と不安になります。
けれど、歯周病は“進行を止める”ことができる病気です。そしてそのカギとなるのが、毎日のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアの両立です。

まず、歯科医院で行われる基本的な治療がスケーリング(歯石除去)です。専用の器具を使って、歯ぐきの境目や歯周ポケット内にたまったプラークや歯石を徹底的に取り除きます。
これによって炎症の原因そのものをリセットすることができ、歯ぐきの状態が改善し、出血も治まっていきます。

ただし、歯周病は再発しやすいという特徴があります。だからこそ、クリーニング後に状態を維持するためには、ご自宅での正しいセルフケアが欠かせません。

・歯間ブラシやフロスで“見えない汚れ”を落とす

歯磨きは毎日している、という方でも、歯と歯の間や歯ぐきの境目にプラークが残っていることが多くあります。実は、歯ブラシだけで落とせる汚れは60〜70%程度とも言われており、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具の併用が非常に効果的です。

特に歯周病が進行し始めた方にとっては、歯間のケアが重要。
「毎日使うのは面倒」と感じる方も、最初は週に2〜3回からスタートしてみることで、徐々に習慣化しやすくなります。

当院など多くの歯科医院では、患者さま一人ひとりの磨き残しやすい場所を把握し、それに合った清掃道具の使い方を指導しています。
道具を“選ぶ”“使いこなす”ことこそが、歯ぐきの健康維持には不可欠です。

・定期的なメンテナンスで再発を防ぐ

セルフケアをどれだけ丁寧にしても、完全にプラークや歯石を防ぐことはできません。だからこそ、3〜6ヶ月ごとの定期検診・メンテナンスが重要です。

歯科医院では、プロフェッショナルによるクリーニング(PMTC)を通して、セルフケアでは届かない部分の汚れをリセットできます。これにより、炎症の再発や歯周ポケットの悪化を防ぐことができます。

また、定期的に歯ぐきの状態をチェックすることで、進行を早期に発見・対応できるという利点もあります。出血が再び見られるようになった場合も、すぐに対応できるため、歯の健康を長く維持しやすくなります。

歯周病治療において「治療だけで完結する」ということはありません。
治療で整えた環境を、毎日の習慣とプロのサポートで守り続ける——この姿勢が、10年後・20年後の健康な口元につながっていきます。

「出血がなくなったからもう安心」と思わず、予防の意識を高めていくことが、歯を守るいちばんの近道です。
今できることから、少しずつ始めてみましょう。

10. 歯茎の出血に気づいた“今”が受診のタイミング

・症状が軽いうちに治療を始めるのが最善

「歯ぐきから少し血が出ただけだから、様子を見よう」——そう思って放置してしまう方は多いかもしれません。
しかし、歯周病は自覚症状が少ないまま進行してしまう病気です。
出血はその“はじまりのサイン”。今のうちに対処することで、最小限の処置で改善が見込めるのです。

とくに、軽度の歯肉炎であれば、歯科でのクリーニングとご自身のセルフケアを見直すことで、歯ぐきの腫れや出血は数週間〜数ヶ月で改善していく可能性があります。
逆に、痛みやグラつきが出るまで放っておけば、外科処置や再生治療が必要になることも。今すぐ受診することが、最も負担が少ない選択肢です。

・自分では分からないことを、プロが見極める

歯ぐきの出血や違和感は、本人にとっては些細なことに思えるかもしれませんが、歯科のプロにとっては見逃せない重要な兆候です。
歯周ポケットの深さ、出血部位、歯石の付き方、生活習慣との関係など、総合的にチェックすることで、あなたの口の中で何が起きているのかを客観的に把握できます。

また、最近ではデジタル技術や歯周病菌のDNA検査なども活用され、自分では気づかないリスクまで“見える化”することが可能になってきました。
歯周病は“予防できる病気”です。だからこそ、「何もしていないのに出血した」という気づきは、健康を守る第一歩なのです。

・「まだ大丈夫」と思わず、まずは相談から始めましょう

忙しい日常の中で、つい後回しにされがちな歯のこと。
でも、歯周病は気づいたときが最大のチャンスです。
少しでも不安を感じたら、「相談だけでも大丈夫かな」と気軽な気持ちで一度受診してみてください。

歯ぐきの出血、腫れ、口臭、ムズムズ感——どれも“よくあること”ではありません
それを“異常”と認識し、行動に移せる人こそが、将来の自分の歯を守ることができるのです。

今、この瞬間の気づきが、10年後のあなたの笑顔を守る一歩になります。
出血に気づいた「今」が、まさに受診のタイミングです。

東京都品川区YDC精密歯周病インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F

『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18

*監修者

医療法人社団スマイルパートナーズ

理事長 齋藤 和重

*経歴

1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。

2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。

2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。

*所属

ICOI国際インプラント学会 指導医

ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター

ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト

ITI Member

OAM先進インプラント認定医・公認インストラクター

日本口腔インプラント学会 会員

日本顎顔面インプラント学会 会員

国際審美学会 会員

日本歯科審美学会 会員

日本アンチエイジング歯科学会 会員

・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)

CID Club (Center of Implant Dentistry)所属

みなとみらい(MM)インプラントアカデミー 所属

国際歯周内科研究会 所属

5-D JAPAN 所属

デンタルコンセプト21 所属

・インディアナ大学歯学部 客員 講師

・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員

・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー

・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒

・USC   University of Southern California)センチュリー・クラブ

・プレミアム・メンバー

※詳しいプロフィールはこちらより

 

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