インプラントとセラミックの違いは?費用相場やそれぞれのメリット・デメリットを解説

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

インプラントとセラミックの違いは?費用相場やそれぞれのメリット・デメリットを解説

インプラント セラミック 違い

 

失った歯を補うための治療のひとつとして「インプラント」や「セラミック」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、インプラントとセラミックの違いについてはよく知らないという方もいるのではないでしょうか。

 

インプラントとセラミックの違いについて知ることで、自分に合った治療法を適切に選択できるようになるでしょう。

 

当記事では、インプラントとセラミックの違いや、それぞれのメリット・デメリット、費用相場などについて解説します。インプラントとセラミックの違いが気になっている方、特徴についてくわしく知りたい方は、ぜひお読みください。

 

インプラントとセラミックの違いは?

 

インプラントとセラミッククラウンも、歯科医院で行う治療のひとつです。両者の大きな違いは、歯根を残すかどうかです。

 

インプラントは歯根も人工的なものを使用しますが、セラミッククラウンの場合、歯根は天然のものを残した状態で治療します。

 

それぞれのくわしい概要については、以下で解説していきます。

 

インプラントとは?

 

インプラントとは、事故や病気によって失った歯を補うために行う治療のことです。骨に埋め込む人工歯根、周りから見える人工歯、2つをつなぐアバットメント(連結部)という3つのパーツにわかれて構成されています。

 

インプラントの人工歯根は、チタンという金属を使用します。チタンは人間の体になじみやすいため、埋入しやすい物質です。

 

セラミックとは?

パソコンやスマホなどのデバイス

 

セラミックとは本来、素材の種類のひとつです。食器や自動車のパーツ、パソコンの液晶など、身の回りのさまざまなものに使われています。

 

しかし歯科業界においては「セラミッククラウン」という治療法を略してセラミックと呼んでいるケースがほとんどです。セラミッククラウンとは、歯根を残した状態で周りから見える歯の上部分だけを補う治療法のことを指します。

 

歯を失った際、外から見える歯の部分はなくなっても、なかの歯根は残っているケースがあります。歯根が残っている場合に行える治療が、セラミッククラウンです。

 

インプラントのメリットとデメリット

 

インプラントは人工歯根を埋入してしっかりと固定しているため、さまざまなメリットがあります。しかし一方で、やや大掛かりな治療だからこそのデメリットも存在します。

 

インプラントのメリットとデメリットについて、以下でくわしく見ていきましょう。

 

インプラントのメリット

 

インプラントの主なメリットは、安定感が高いという点です。インプラントは自身の骨にしっかりと埋め込むため、入れ歯などの治療方法に比べると高い安定性を持っています。

 

食べ物を噛んだり、言葉を話したりする際にずれてしまう心配がほとんどありません。咀嚼の際は、自分自身の天然歯であるかのように強く噛むことができるため、「人工物を使用している」という違和感や不快感を抱きにくいという強みがあります。

 

また、骨が減少しにくくなるという点もメリットのひとつです。入れ歯やブリッジのような治療を行った場合、噛んだ際に顎の骨へ咀嚼の刺激が伝わりません。そのため骨がだんだんと減っていき、顔が老けた印象になりやすくなります。

 

しかしインプラントの場合は、人工歯が顎の骨につながっているため、咀嚼の刺激が顎までしっかりと伝わります。自分の歯で噛んでいるときと同じく、骨に刺激が伝達されるため、骨が減っていくのを防ぎやすくなるでしょう。

 

インプラントのデメリット

歯科手術の様子

 

インプラントのデメリットは、一部の患者さんには治療が行えないという点です。インプラントの治療では、外科的な手術を行う必要があります。したがって、年齢や持病の関係で外科手術に耐えられない場合は治療を断念しなければなりません。

 

また、インプラントの人工歯根に使われているチタンが体に合わない場合も、治療を受けられない可能性があります。

 

チタンは人間の体との親和性が高い物質ですが、それでもアレルギー反応を起こしてしまう方がまれにいます。チタンを埋め込むことで体に異常が出てしまう場合、治療を断念するケースもあるでしょう。

 

さらに、顎の骨の幅や高さが足りていない場合も治療が受けられない可能性があります。骨の量が十分でないと、人工歯根を埋め込むことができないためです。

 

セラミックのメリットとデメリット

 

セラミックにも、インプラントと同様にメリットとデメリットがそれぞれ存在します。メリットとデメリットについては、以下でくわしく解説していきます。

 

セラミックのメリット

 

セラミックのメリットのひとつは、金属アレルギーの心配がないという点です。インプラントも金属アレルギーを発症しにくい素材を使っていますが、それでもまれに発症してしまうケースがあります。アレルギー反応を避けてより安心して治療を行いたいという方は、セラミックの使用を検討してみましょう。

 

また、審美性(見た目の美しさ)を保ちやすいという点もメリットのひとつです。セラミックは自然歯に近い見た目や質感を持っているため、周りから見た際に「自然歯ではない」と気づかれにくいという特徴を持っています。

 

また、ほかの物質に比べて変色しにくいため、見た目の美しさを保ちやすいという点も特徴です。

 

セラミックのデメリット

 

セラミックのデメリットのひとつは、欠ける可能性があるという点です。セラミックは陶器でできているため、大きな衝撃を受けた際に欠けてしまうケースがあります。

 

事故などの大きな衝撃を受けた場合だけでなく、食いしばりや歯ぎしりといった日常の何気ない癖によっても割れてしまうことがあります。食いしばりや歯ぎしりの癖がある方は、十分な注意が必要です。

 

また、必ずしも一生使えるものではないという点についても注意しておく必要があります。セラミックの周りに虫歯ができたり、歯周病が発症したりした場合、セラミックを交換しなければならないケースも出てきます。

 

セラミックを交換するとなった場合、もう一度高額な費用がかかることになるでしょう。セラミックの寿命を少しでも伸ばすためには、毎日歯磨きなどのセルフケアをしっかりと行ったり、定期的にメンテナンスを実施したりすることが欠かせません。

 

インプラントとセラミックの費用相場

たくさんの一万円札

 

インプラントの費用相場は、30〜60万円程度、セラミックの費用相場は、10〜20万円程度です。インプラントもセラミックも、基本的には保険が適用されません。すべて患者さんの自己負担となるため、費用が高くなりやすい傾向にあります。決して安くないからこそ、治療は信頼できるクリニックで行うことが大切です。

 

まとめ

 

インプラントは人工歯根を顎の骨に埋め込み、失った歯を補う治療のことです。安定感が高く、咀嚼がしやすいというメリットがあります。

 

歯科業界におけるセラミックとは、多くの場合セラミッククラウンのことを指します。セラミッククラウンとは、天然の歯根を残した状態で失った歯を補う治療のことです。セラミックは審美性が高く、金属アレルギーを発症する心配もありません。

 

山手歯科クリニックでは、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長がカウンセリングやセカンドオピニオンを行っています。失った歯を補う治療を安心して行いたい方は、ぜひお越しください。

 

監修:理事長/齋藤和重