奥歯を抜けたまま放置するとどうなる?リスクや治療法をわかりやすく解説します

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

奥歯を抜けたまま放置するとどうなる?リスクや治療法をわかりやすく解説します

奥歯 抜けたまま 放置

 

虫歯や歯周病で奥歯が抜けてしまい、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。食べ物が噛みにくいなどの不便を感じながらも、治療を後回しにしている方もいるでしょう。

 

しかし、口内は1本1本の歯によるバランスのなかで成り立っているため、たとえ奥歯1本でも欠けたまま放っておくことはおすすめできません。

 

そこで今回は、奥歯が抜けたまま放置することの危険性について解説します。歯が抜けてしまった場合の治療法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

奥歯を抜けたまま放置するのは
口への悪影響がある

奥歯を痛める女性

 

奥歯に限らず歯が抜けたまま放置してしまうと、口内にさまざまな悪影響が及んでしまいます。「1本だけならしばらく放っておいても大丈夫なのでは……?」と感じてしまうこともありますが、1本でも欠けてしまうと全体のバランスが崩れてしまうため早めに治療を受けることが大切です。

 

さらに、放置した期間が長いほどお口に与える影響は大きく、顎の関節や体全体の不調を招いてしまう可能性が高くなります。「1本だけだし……」と軽く考えてしまうことは大変危険です。

 

奥歯を抜けたままにした場合のリスク

 

奥歯は見えにくく周囲の人から気づかれにくいことから、治療を急ぐ必要はないと考える方が少なくありません。しかし、抜けたまま放っておくとさまざまな悪影響をおよぼし、治療する頃にはすでに手遅れである可能性も考えられます。

 

ここでは、奥歯を抜けたまま放置するリスクについて解説します。

 

①噛み合っていた上下の歯が出てくる

 

歯がそれぞれの位置にきちんと留まり機能しているのは、上下の歯がきちんと存在し噛み合っているからです。そんななかで歯を抜けたままにしておくと、本来の位置に留まることができず空いたスペースへ挺出(ていしゅつ)してくるようになります。

 

②隣の歯が倒れるなど歯並びが乱れる

 

歯を抜けたまま放っておくと、隣の歯が空いたスペースに倒れ込んできて歯並びの乱れを引き起こします。空いてしまったスペースが大きく空いている期間が長いほど、周囲の歯が大きく傾斜しブリッジや入れ歯など治療が困難になるケースもあるでしょう。

 

③噛み合わせが悪化する

 

空いたスペースに歯が挺出したり傾いたりしてくると、噛み合わせにも影響が出てしまいます。一度悪くなってしまった噛み合わせは自然と元に戻ることはないため、矯正治療や咬合治療が必要になる可能性が高くなります。大がかりな治療になれば、通院も大変になるので早めに受診するようにしましょう。

 

④他の健康な歯への悪影響がある

 

歯が抜けたあとに適切な治療を受けないと、奥歯から噛み合わせや歯並びの崩壊が始まります。残っている歯にも徐々に影響が出はじめ、歯本来の役割を果たせなくなるため早めに治療を受けることが大切です。一度機能を失ってしまった歯が自然に元に戻ることはないため、健康な歯を守るためにも奥歯が抜けたまま放っておくことはおすすめできません。

 

⑤歯茎が下がる可能性がある

 

歯が抜けた状態で長く放っておくと、歯を支えていた骨が衰退するため歯茎も同時に下がってきます。顎の骨が衰退してしまうと、インプラント治療が難しくなるほか希望する治療が受けられないこともあるでしょう。歯茎が下がると隣の歯の根っこが見えやすくなり、知覚過敏になるなどの弊害が発生することも考えられます。

 

奥歯が抜けた場合の治療法3つ

きれいな歯の模型

 

奥歯が抜けた場合は、なるべく早めに歯科医院へ相談して適切な治療を受けることが大切です。治療を開始するタイミングが遅れてしまうと、適切な治療を受けられないばかりか、治療が大がかりになってしまうことも少なくありません。

 

ここでは、奥歯が抜けた場合に行われる代表的な治療法を解説します。それぞれの治療にはメリット・デメリットがあるため、歯科医師とよく相談してから決めるとよいでしょう。

 

入れ歯

 

プラスチック製の取り外しができる人工歯を装着して歯を補う治療法です。

 

メリット ・保険適用できるため治療費を抑えられる

・周囲の健康な歯を削る量が少ない

・取り外しできるため清潔な状態を保ちやすい

デメリット ・入れ歯が大きくなると違和感を覚えやすい

・部位によって金属の金具が目立つ

・支えにする周囲の歯の寿命が短くなる

治療期間 1~2ヶ月
費用 5,000~2万円ほど

 

入れ歯はいつでも取り外しが可能なため、清潔な状態を保ちやすいメリットがあります。また、痛みなどのトラブルが発生したときも、一時的に自分で取り外しておくなどの対応ができるため安心です。保険適用・適用外と選択できることから、自分に合った方法で作製できる点もメリットといえるでしょう。しかし、入れ歯が大きくなると違和感を覚えやすくなり、入れ歯を支える周囲の歯に影響が出てしまうデメリットがあります。

 

インプラント

インプラントの模型で説明する歯科医

 

顎の骨のなかに人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着して歯を補う治療法です。

 

メリット ・自分の歯のようにしっかり噛める

・周囲の歯を支えにしない独立した治療が可能

・天然歯とよく馴染み口元の印象に違和感を与えない

デメリット ・外科的手術が必要なため肉体的な負担が大きい

・口内や全身の健康状態によって手術を受けられない

・保険適用外のため費用が高い

治療期間 数ヶ月~1年弱
費用 30~60万円ほど

 

顎の骨のなかに人工歯根を埋め込んで被せ物を作製するため、周囲の歯を守りながら失った部分だけを補える治療法です。被せ物にはセラミックなどの審美性の高い素材を使用するため、口元の印象を損ねることはないでしょう。しかし、歯茎を切開して顎の骨に人工物を埋め込む外科手術が必要なことや、治療期間が長くなることから、患者さんの負担が大きいというデメリットがあります。

 

ブリッジ

 

橋渡しのような形の被せ物を装着して歯を補う治療法です。

 

メリット ・インプラントと同じく自分の歯のように食事を楽しめる

・保険適用できるため治療費を抑えられる

・固定式のため自分で取り外しをする手間がない

デメリット ・両隣の歯を削って被せ物を作製する必要がある

・支えにする歯の虫歯や歯周病リスクを高めてしまう

・部位や素材によって見た目の美しさが損なわれる

治療期間 2週間~1ヶ月
費用 1~2万円ほど

 

固定式の被せ物を装着するため自分の歯のようにしっかりと噛め、毎日取り外して清掃する手間がかかりません。保険適用外の素材を選ぶと審美性が向上するため、口元の印象を損なうこともないでしょう。しかし、両隣の歯を大きく削って被せ物を作製するため、歯の寿命が短くなってしまうデメリットがあります。

 

まとめ

 

奥歯が抜けたまま放っておくリスクと、治療法について解説しました。放っておいた期間が長いほど治療が困難になるケースが多いため、すぐに治療をはじめられない場合は歯科医院で応急処置だけでもしておくと安心です。また、近頃はさまざまな治療方法があるため、まずは歯科医院を受診して最適な治療方法や費用などの相談をしておきましょう。

 

山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。

 

監修:理事長/齋藤和重