インプラントとブリッジはどっちが良い?入れ歯との違いやメリット・注意点を解説

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

インプラントとブリッジはどっちが良い?入れ歯との違いやメリット・注意点を解説

ネジ

 

失った歯を補う治療法には、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットの比較も大切ですが、口のなかの状態によっては選択した方法が合わない可能性もあるため注意が必要です。

 

とくにインプラントとブリッジは、入れ歯よりも見た目や歯としての機能を違和感なく復元できるため、どちらを選択すべきか迷う方もいらっしゃるでしょう。本記事ではインプラントとブリッジの違いをメインに解説していくので、どちらが良いかを判断したい方はぜひ参考にしてみてください。

 

インプラントとブリッジは
どっちが良い?

疑問を持つ女性

 

はじめに、インプラントとブリッジの治療を比較した以下の表をご覧ください。

 

  インプラント ブリッジ
審美性 天然歯に近い仕上がり 保険適用外の場合はインプラント同様
違和感 なし 少ない
咀嚼力 天然歯とほとんど変わらない 支えの歯の状態にもよるが、天然歯の6割程度は回復する
費用 30万円~60万円 保険適用外の場合は30万円程度
期間 最短でも数ヶ月 約2週間~3週間
外科手術 あり なし
周りの歯への負担 なし あり
(土台となる歯に負担がかかる)
10年残存率 90%以上 50%~70%

 

以下でくわしく解説していきます。

 

インプラントとは失った歯の骨にチタン製の人工歯根を埋め、独立した1本の歯を作る治療法です。

 

インプラント
審美性 天然歯に近い仕上がり
違和感 なし
咀嚼力 天然歯とほとんど変わらない
費用 30万円~60万円
期間 最短でも数ヶ月
外科手術 あり
周りの歯への負担 なし
10年残存率 90%以上

 

外科的な手術が必要ですが、虫歯の治療時と同じ局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。また恐怖心や不安感が強い方には、リラックスした状態で施術が受けられる笑気麻酔を併用することもあります。

 

インプラントのメリット

 

インプラントの最大のメリットは、健康な周りの歯を削らない・負担をかけないといった点です。一部の治療法を除いて1本の独立した歯として作れるため、噛み合わせの圧が均等にかかり他の治療法よりも長持ちする可能性が高くなります。

 

そして天然歯やブリッジと違い、インプラントは虫歯の心配をする必要がありません。フロスなどで歯間の清掃もしやすく、天然歯と同様のセルフケアが可能です。

 

インプラントの注意点

 

インプラントが虫歯にならないことをメリットにあげましたが、歯周病の感染リスクはあるため注意しましょう。歯周病に感染すると、インプラントを支えている骨が減り脱落の原因につながります。

 

予防するには口内を清潔に保つことが重要です。そのためセルフケアをしっかりと行うだけでなく、歯医者で定期的なメインテナンスやクリーニングをしてもらいましょう。

 

ブリッジとは?

 

ブリッジとは失った歯の両隣の歯を土台として使い、橋をかけるようにつながった被せ物を入れて欠損部を補う治療法です。

 

ブリッジ
審美性 保険適用外の場合はインプラント同様
違和感 少ない
咀嚼力 支えの歯の状態にもよるが、天然歯の6割程度は回復する
費用 保険適用外の場合は30万円程度
期間 約2週間~3週間
外科手術 なし
周りの歯への負担 あり
(土台となる歯に負担がかかる)
10年残存率 50%~70%

 

ブリッジは保険適用の治療の選択も可能です。しかしその場合、奥歯は銀歯、前歯は金属冠の表面に白いレジンを加工した被せ物になるため審美性は劣ります。

 

ブリッジのメリット

 

ブリッジのメリットは短期間で行える、費用が抑えられるといった点です。インプラントのように外科手術をするのではなく、土台となる歯を削り型どりをして作成するため短期間で通院回数も少なくすみます。

 

また保険適用のブリッジと保険適用外のブリッジがあるため、被せ物の種類を比較しながら自由に選択が可能です。

 

ブリッジの注意点

 

土台となる歯が虫歯や歯周病に感染しやすくなります。なぜなら、ブリッジは被せ物自体がつながっているため歯の間の清掃が難しくなるからです。最悪の場合、土台の歯が抜歯になるケースもあるので、セルフケアをしっかり行い定期的な歯医者のメインテナンスを受診しましょう。

 

また失った歯にかかっていた負担を土台の歯が補うことになるため、歯の寿命を縮めてしまう原因につながります。インプラントにはないメリットもありますが、このようなリスクがあることを理解しておきましょう。

 

【補足】入れ歯とは?

入れ歯

 

補足として入れ歯治療について紹介していきますので参考程度にご覧ください。入れ歯はインプラントやブリッジと同じように失った歯を補う治療法として選択でき、大きな違いは取り外し可能な点です。種類は1本から対応できる部分入れ歯と、全体的に補う総入れ歯の2種類があります。

 

入れ歯
審美性 部分入れ歯の場合は金属のバネが目立つ
違和感 異物感あり
咀嚼力 天然歯よりも大きく低下する
費用 保険適用外の場合は30万円以上
期間 約2週間~1ヶ月
外科手術 なし
周りの歯への負担 あり
(バネをかける歯に負担がかかる)
平均寿命 約4年~5年

 

入れ歯のメリット

 

入れ歯のメリットは歯を連続して失った場合でも一つの入れ歯で対応できる点です。また保険適用外の場合はバネのない入れ歯を選択でき、保険適用の入れ歯よりも密着度が高い・違和感が少ないといった特長があります。

 

入れ歯の注意点

 

入れ歯は固定するバネが緩くなる・人工歯がすり減るなど、長期間の使用で劣化してきてしまいます。そのため、定期的なメインテナンスは非常に重要です。そのまま使い続けてしまうと、歯茎がやせてしまったりバネをかける歯に悪影響が出たりする原因になるため注意しましょう。

 

インプラント・ブリッジが
おすすめなのはどんなケース?

ブリッジの歯

 

最後にインプラントやブリッジのメリット・注意点をふまえて、それぞれがおすすめなケースを紹介していきます。

 

インプラントがおすすめなケース

 

インプラントがおすすめなケースは以下のとおりです。

 

 

  • 健康な歯を削りたくない
  • 治療した歯をなるべく長持ちさせたい
  • 歯ブラシやフロスを毎日行い、口内を清潔に保っている
  • 連続して歯を失い入れ歯をしているが、満足できないなど

 

 

このように入れ歯が合わない方や、周りの歯にダメージを与えたくないといった歯の健康意識が高い方はインプラント治療がおすすめといえます。とくに若い方は、歯を支える骨が良い状態で残っている場合が多いため、傷の治りも早く簡単な手術になる可能性も高いでしょう。

 

ブリッジがおすすめなケース

 

ブリッジがおすすめなケースは以下のとおりです。

 

 

  • 保険適用の範囲で治療を行いたい
  • 失った歯の両隣の歯がすでに被せ物をしている
  • 見た目や咀嚼の機能面などを早期に回復したい
  • 持病や服用している薬の影響で外科処置が難しいなど

 

 

インプラントと比較した一番の違いは、失った歯の両隣の歯を削るという点です。そのため、削る歯が治療したことのない健康な歯の場合はマイナス要素が大きくなりますが、すでに被せ物などの治療がされている場合はその点の優先度が低くなります。それぞれのメリットや注意点も比較して慎重に選びましょう。

 

まとめ

 

インプラントとブリッジは失った歯の本数や周りの歯の状態によって適応するケースが異なります。「失った歯や今ある健康な歯を長期的に残すにはどの方法が適しているか」という長期的な目線での検討も重要です。とくにインプラント治療は未対応の医院もあるため、歯医者の選び方には注意しましょう。

 

山手歯科クリニックでは患者様の状態に応じて治療の選択肢を提示しており、インプラント治療においては25年以上の実績があります。納得のいく治療法を選択していただくためにセカンドオピニオンも受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。

 

監修:理事長/齋藤和重